第15楽節『神と巨人の決闘・3』

決闘の約束をするトールとフルングニル
投槍北欧神話・第15楽節『神と巨人の決闘・1』
投槍北欧神話・第15楽節『神と巨人の決闘・2』
の続き(‘◇’*)


今は昔。
酔っ払い巨人フルングニルの口車に乗せられ、脳筋トールは決闘の約束を交わしました。
アースガルドの神々は、神様軍・巨人軍のエース戦士対決に不安を隠せませんでしたが、それは巨人側も同じこと…。

この頃、巨人軍は雷神トールに散々蹴散らされて、敗走を続けていました。
決闘でフルングニルが死ぬ様なことがあれば、ますます分が悪くなってしまうのです。
万一の事態を考えた巨人達は、伏兵の用意を始めました。
一対一の漢の決闘なのに汚ぇ!

ゴーレム誕生
巨人の魔法使い達は粘土人形に生き馬の心臓を埋め込んでゴーレムを創ったのでした。

魔法使い『泥より生まれた悪魔よ、お前をミストカーフと名付けよう!』
ミストカーフ『ウオオー!( ☆Д☆)』
魔法使い『急ごしらえでちょっと不安定だが何とかなるだろう…』

ミストカーフは超々巨大なゴーレムで、その身長は9リーグもあったそうな。
ヤード・ポンド法で換算すると1リーグ≒4.8kmだから……身長43km!?
おいおい、チョモランマの5倍じゃねーか。
地球の成層圏は高度約50kmです。ギリギリ納まるけど…。
こんな途方もないデカさのゴーレムなら、トールも虫けらの如く踏み潰されてしまうのではないでしょうか。

そして決闘当日。
巨人の悪企みなど知らないトールは召使のシアルビィを連れて、約束の場所グリョートナガルダルに向かいました。

シアルビィ
シアルビィは神器4次クエに出てくる人間の少年です(*’ヮ’)

元々は人間界で暮らしていたフツーの男の子でしたが、色々あってトールの下に就職しました。
その辺の経緯は機会があったら御紹介ということで…。


トール『うおおおお、待ってろよフルングニル!!(ズドドドドド!』
シアルビィ『トール様、安全運転でお願いします|Д゚)』

山羊の戦車に乗ったトールは闘気に満ち溢れていました。
しかし天候を司る雷神の彼がやる気マンマンになった結果、人間界ミッドガルドでは雷が落ち、暴風雨が吹き荒れ、雹が降りつけ、鉄砲水・地震・地割れが発生しました。

人間『ひい、世界が滅びる予兆か!?Σ(TДT;≡;TдT)』

この異常気象で人間界の麦畑や牧草地帯は甚大な被害を受けたそうです。
トールって農耕の神様でもあるのに…。
神様達がやる気を出すと、人間は高確率でシャレにならない迷惑を被るのが北欧神話クォリティ。

決闘場所グリョートナガルダルにて
トール『待たせたな!』
フルングニル『なんか人間界の方が騒がしいが大丈夫なんか…?』

いよいよ神様・巨人のエース対決が始まります。
この戦い、一体どちらが勝つのか!?
そして裏に控えた伏兵ミストカーフの実力とは!?
戦闘開始直前、従者シアルビィはこっそり巨人に耳打ちをしました。

(WIS)
シアルビィ『邪悪な巨人め、今日がお前の命日だ!|Д゚)』
フルングニル『そういう台詞は自分が戦う時に言えよ、人間の小僧ッ子がっ!』
シアルビィ『トール様は戦闘民族のエリート戦士だから、地中からも攻撃できるぞ!|Д゚)』
フルングニル『地中から攻撃だと!?ならば、こうしてやるわい!』

シアルビィの言葉を真に受けたフルングニルは盾を地面に置いて、その上に立ちました。

↓つまりこう

フルングニルの防御体勢
正面のガードがガラ空きです…!!

 


トール『隙あり!!』

それを見て、トールは真正面からミョルニールをぶん投げました。
汚ぇ!
一対一の漢の決闘のハズが、卑怯なのは神様サイドも同じことだった。

フルングニル『地中からの攻撃じゃないじゃねーかーー!!』

騙されたフルングニルは稲妻を伴って飛んで来るミョルニールに、自分の武器である火打石(※鈍器兼、投擲系武器)を投げつけます。
火打石はミョルニールと空中で激突すると、バチバチと火花を散らしながら砕け飛びました。
その破片のいくつかは人間界まで飛来し、轟音を立てて大地にめり込んだのでした。

人間『今度は隕石が!やっぱり世界が終わるんだ!Σ(TДT;≡;TдT)』

巨人が本気を出しても、人間界に迷惑が!
火打石の欠片が落下した各地点は、後々になって良質の鉱物採石場になったそうな。
破片で鉱山になるサイズの火打石って、元はどんだけデカかったんですか。
更に別の欠片はトールの頭に突き刺さりました。

トール『ぐああああ!』

その傷は浅くなく、トールは大出血して地面に転がったのでした。
隕石クラスの火打石の破片が頭にぶつかっても死なないトールがすごい。
大ダメージを負ったトールは、これ以上戦えるかあやしい状態です。
対するフルングニルはというと…?
火打石の激突を受けてもミョルニールの飛行軌道は全くブレず、フルングニルの額にクリーンヒット。
その恐るべき一撃で巨人の頭部は完全に破壊され…、彼は即死したのです。

フルングニル死亡
フルングニルが地面に倒れ伏すと、先にうずくまっていたトールは死体の下敷きになってしまいました。

フルングニル『ぐふっ(バターーーン』
トール『ギャー、死に際に追い打ちかけて逝った!』

この決闘はトールの勝利に終わりました。
しかし、まだ巨人側には伏兵のゴーレムが控えています…。

ミストカーフ
魔法使い『クッ…、我が軍の最強戦士が敗れるとは…。ミストカーフよ、お前の出番だ!』
ミストカーフ『……』
魔法使い『どうした、トールはフルングニルの下敷きになって動けん。今がチャンスだぞ』
ミストカーフ『ウ、ウオー…!(((( ;TДT)))ガクガクブルブルガクガクブルブル』

ゴーレム・ミストカーフは目の前で繰り広げられた戦いに、すっかりビビッてしまい、トールと戦うどころか立ちすくんでおしっこを盛大に漏らしました。

魔法使い『うわっ、汚ぇ!やっつけ仕事で間に合わせたから失敗作かー!』
シアルビィ『邪悪なゴーレム発見!これでもくらえ!|Д゚)』

ミストカーフ、土に還る
ミストカーフ『○凹 コテン』

対トール戦に備えて創造されたミストカーフは、トールの従者・シアルビィが斧で殴るとあっさり倒れて、ただの泥に還りました。

よっっっわーーー!!
このゴーレムは一体、何のために登場したんだ…?
巨人軍がわざわざ創った秘密兵器じゃなかったのかよ。
巨神兵だって、死ぬ前にビームの一つや二つ発射したぜ…!?
ミストカーフ号が手負いのトールを殺していたら、両軍の勢力図は大幅に書き換えられただろうに。

魔法使い『うわーん、覚えてやがれーー!Σ三三三三。・゚・(ノД`)・゚・。』

こうして神と巨人の決闘は幕を閉じたのでした。

次回、雷神トールの凱旋?(*’ヮ’)
投槍北欧神話・第15楽節『神と巨人の決闘・4』に続く。

  1. 対トール用なんで・・人耐性がマイナスなんですよきっと・・・
    「魔法使い:神耐性を上げないといけないから人耐性を削って回そう(神+100% 人-100000%)」とか・・・

  2. 確かに神話には『○○には強いが、××でイチコロにされる』っていう極端な弱点設定が多いですね(・ω・)
    でも、おしっこ漏らしてガタブルの辺りからして、もうダメだよこの子!

  3. 二人とも脳筋すぎてワロタw
    下敷きになったトールはどうなるのか?
    wkwk@w@
    ラーヴァ(違)弱すぎwww
    子供の斧で1確って・・・

  4. 俺はミストカーフのことを『北欧版・先行者』だと思ってるよ(‘◇’*)

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