第6楽節『神国の城壁・前編』の続きです(・ω・)
今は昔。
平和なアースガルドに突如として現れた謎のおっさん。
彼は『フレイヤとの結婚』を条件に、城壁修理を申し出ました。
ロキの犯罪的アイディアを基に、神々は詐欺る気マンマンで修理契約を結んだのでした。
工事初日。
おっさんは夜明け前から起きだして、愛馬スヴァルディルファリと共に作業を開始しました。
そして、工事を見物に訪れた神々は、とんでもない事実を目の当たりにするのです。
おっさんの馬はレンガどころか巨大な岩山をまるごと牽引し、工事現場まで悠々と運んでいました!
そして、おっさんはおっさんでスタープラチナ並のパワーと精密動作性で岩を切り出し、せっせと積み上げていきます。
たった一日の間に、工事開始地点から見渡せないほど遠くまで城壁が築かれました。
神々『何あの馬…( ;゚д)ザワ(;゚д゚;)ザワ(д゚; )おっさんもパネェ…』
おっさん『フー。今日の作業は初夜に例えると、花嫁のヴェールをめくってチューvした位かな?ゲヘヘ』
フレイヤ(例えがキモッッ!!。・゚・(ノД`)・゚・。)
アースガルド外周がどれほどの長さか分かりませんが、現実世界で例えるなら万里の長城を一人と一頭で作るよーなもんでしょうか。
おっさんと馬のパワーがすごかったので、神々は『こ、コイツもしや魔力を持った巨人族では!?』と疑い始めました。
ロキ『だ、大丈夫だって…。ホラ、疲労とかするし…』
残念ながら、おっさんと馬は持続力もスタプラ並でした。
雨の日も雪の日も雹が降りつける日も、全くペースを落とさずに黙々と作業をこなしたのです。
冬の寒さが厳しくなり、そして和らいで春が来て、もうすぐ夏。
工事開始から半年が経とうという納期3日前。
アースガルドを取り囲む城壁は99%完成していました。
残すは出入りするための城門だけです。
おっさん『完成度を初夜に例えると、花嫁をパンツとブラだけにした位かな?ゲヘッゲヘヘヘ』
フレイヤ(キモイキモイキモイキモイ!!。・゚・(ノД`)・゚・。)
いよいよフレイヤの操に危機が迫ったと認めざるを得なくなったオーディンは、グラストヘイムに全神様を緊急招集しました。
満座の中央で怒りを露わにしながら主神は言いました。
オーディン『ロキ、死刑』
ロキ『単刀直入にも程があるwwwwwwwwwwwwww』
オーディン『馬の使用許可を与えろと進言したのはお前だろうが。このままでは我々はフレイヤと太陽と月を失ってしまうんだぞ?責任を取って死ね!』
ロキ『アンタだって納得顔で賛成したじゃんかーー(゚Д゚;)』
フレイヤ『あんなキモメンと結婚だなんて、美の女神として死んだ方がマシです。・゚・(ノД`)・゚・。』
オーディン『よしよし、何とかするから泣くのはお止め;;』
(WIS)
ロキ『フレイヤなんて余所者じゃーん。そんなに贔屓しちゃって、ひょっとして気でもあるんですかぁ~?ププ』
オーディン『ギクッ。…ふ、フレイヤは優秀な軍神だぞ。それに太陽と月を工賃に取られたら、闇夜の世界になってしまうだろう。残った女神達の可愛い顔も見れんではないか』
ロキ『うはwww後付けくせーーwwwwっうぇwwwっうぇwwwwwww』
オーディン『死刑判決は単刀直入でも、執行はじわじわやるからな^^ 五千年くらいかけて!』
ロキ『妨害工作がんばってくるから許して下さい(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル』
かくしてロキはオーディンの脅迫に屈し、身から出た錆の回収に乗り出すことになりました。
神話中の彼はいつでもこーゆー役回りばっかりです。
その日の夕方。
おっさん『フンフフーン♪花嫁の~ブラのホックに手をかけた~ぞ~フフーン♪』
スヴァルディルファリ『ブヒヒン♪』
おっさんはフレイヤとのムフフな結婚生活の想像で頭がいっぱいでした。
キモイ歌を口ずさみながら、愛馬と作業を続けています。
このままならば彼らは確実に城壁を作り上げてしまうでしょう。
しかし夜のとばりと共に、工事現場へ現れた一つの影…。
それは一頭の若い牝馬でした。
牝馬『ブッヒヒーンv ☆⌒(^ー゚*)』
スヴァルディルファリ『ヒヒ━━━━Σ(゚∀゚*)━━━━ン!!』
この牝馬は馬の美的価値観ではフレイヤ級の美女だったのでしょう。
怪馬スヴァルディルファリは作業を放っぽらかし、牝馬めがけて一目散に駆け寄りました。
おっさん『馬鹿馬ーーー!!戻って来んかーー!!』
おっさんの必死な呼びかけも、牝馬に夢中のスヴァルディルファリには届きません。
二頭の馬はじゃれ合いながら森の奥深くへと消えて行ったのでした。
スヴァルディルファリがいなければ石材を運んで来ることができませんから、おっさんは途方に暮れました。
仕方無しに残った石だけで城門を組み始めたものの、材料不足は明らかです。
青石1個だけで守護石修理に行けと言われる位ムリなことでした。
スヴァルディルファリが妙にスッキリした顔つきで工事現場に帰って来たのは、とうに夜が明けた頃。
もはや期限中に工事を完了させることはできない、つまりフレイヤを嫁にできないと悟ったおっさんは目の前が真っ暗になりました。
そして、あの謎の牝馬は神々の差し金に違いないと直感し、憤怒の形相に変わります。
おっさん『巨人パワーメイクアーップ!ヽ(`Д´#)ノ』
神々の予想通り、おっさんは悪い巨人族でした。
怒り狂った巨人は正体を現して、神々に襲いかかって来ます。
オーディン『ふん、馬脚を現したな。馬の話だけに!』
神A『オーディン様、ウマいこと言ってる場合じゃありませんよ!』
オーディン『そうだった。トールよ、出番だぞ!』
トール『任せとけ!』
暴れる巨人の前に立ちはだかったのは雷神トール!
彼はオーディンの私生児にして、巨人対策班リーダー。
巨人キラーとして名を馳せ、神々の敵達を震え上がらせた逞しい神様です。
彼の装備である『神通力を2倍化するベルト・メギンギョルド』と『雷を呼ぶ鎚・ミョルニール』はROでも神器アイテムとして登場してますね。
メギン&ミョル持ちって書いただけで、すげー強そう(゚Д゚)なのが伝わるかと思います。
巨人『この詐欺野郎どもが!!!フレイヤのビッチ!!!』
トール『これでも喰らいやがれ!』
ミョルニールとは『打ち砕くもの』の意。
その名の通り、ミョルニールを撃ち込まれた巨人の頭は木っ端微塵に粉砕され、ニブルヘイム送りとなったのでした。
一波乱ありましたが、トールが巨人を1確したおかげでアースガルドは元通り平和に…いえ、99%完成した城壁をタダで手に入れて、より一層堅牢な守りを敷くことができました。
フレイヤの貞操も救えて、オーディンは大満足。
しかし。
神様会議でとっちめられたロキはしばらく消息を断っていました。
どこかでイジケちゃってるんでしょーか??
城壁事件から数ヵ月後のこと。
行方不明だったロキがひょっこりアースガルドに戻って来たのです。
八本足の奇妙な仔馬を傍らに伴いながら。
オーディン『む。帰って来たな悪戯者め』
ロキ『おひさしぶりーふ(*’ヮ’)ノ▽』
オーディン『なんだそのタコみたいな足の馬は。お前のペットか?』
ロキ『失敬なwwペットじゃねぇwwスヴァルディルファリと俺の子供だよ(*’ヮ’)v』
オーディン『はぁ?』
ロキ『ようやく乳離れしたから帰って来れたぜ~』
オーディンの背中に一筋の嫌な汗が流れました。
オーディン『スヴァルディルファリって馬だし…しかも雄馬だし……』
ロキ『うん。だから俺が牝馬に化けて、アイツの気を引いてやったろ☆ミ』
オーディン『や、やったのか!?馬とやったのか!!?』
色好みの主神も、ロキの発言には流石にドン引きでした。
ロキは変身術が得意な神で、しばしば虫や動物に化けては重要な役回りを演じています。
果ては性別を完全にメタモルフォーゼし、妊娠・出産すら可能でした。
今回の他にも複数の出産経験があります。
す、すげぇ…(゚Д゚;)
前回記事でアースガルドにおいて「近親相姦は禁止」と書きましたが、それと並んで同性愛や獣姦もタブー。
オーディンはクソ真面目のヘイムダルと話が合わなそうだけど、不真面目過ぎるロキとも趣味がズレてたんだろうな。
ロキ『こいつすごいのよー。めっちゃ足はえーし、海も空も走れる超名馬!』
オーディン『………』
ロキ『あの世の国・ニブルヘイムまで行って帰って来れるんだぜ~>∀<』
ロキは親馬鹿に息子自慢を延々と繰り広げますが、主神の無駄に賢い脳ミソはそれどころではありません。
オーディン(牝馬に化けて交尾して出産して授乳しただと!?うおお、知識の神として好奇心を刺激される…が…男として想像したくない!!うああ、それなのに私の知能が高すぎて、実にリアルな映像が脳裏に浮かぶ!オエエっ)
ロキ『でさー、この駿馬ベイビーはお前に託そうと思うんだ』
オーディン『エッ!?』
ロキ『戦場に出る時、こいつに乗れば怖い物ナシだぜ!』
オーディン『そ、そうだな;;』
ロキ『名前はスレイプニール(滑らかに動く者)って呼んで可愛がってあげてね><;』
スレイプニール『ブヒヒーン(*’ヮ’)』
こうしてオーディンはロキから名馬スレイプニールを譲り受けました。
ロキはオーディンと義兄弟の契りを交わしているので、この馬はオーディンの甥っ子にあたるのか…(゚Д゚)
八本足の風変わりなスレイプニールは北欧神話随一の俊足を誇り、なんだかんだ言ってオーディンはこの馬を寵愛します。
大事な任務の時は部下にスレイプニールを貸してあげることもあったんだヨ(*’¬’)
詳細はまた別の機会に書きますが、ロキの子供達は不遇揃い。
拘禁されたり、ろくでもない殺され方をしたり…。
そんな兄弟達の中で最も出世したのは、主神の愛馬となったスレイプニールでしょう。
ロキが息子を託したのは主神の歓心を買うためかも知れませんが、ここは子を思う親心だと受け取りたいところです。
ROではトールのメギン&ミョル、フレイヤのブリーシンガメンと並んで神器に取り上げられたスレイプニール。
(馬じゃなくて靴の名前だけど…)
『北欧神話最速』の設定にあやかったブラウザ名としても有名です。
後々の世になっても人間達から一目を置かれる存在となったのだから、生みの親であるロキも鼻が高いですね(*’ヮ’)v
めでたしめでたし。
これ、いよいよ城壁が完成しそうでやばいって時に
ロキが神のダメなところをまくしたてて
それに怒ったオーディンがロキを力いっぱい締め上げて
「あのおっさんが報酬を失うか、お前が命を失うか、選べ!」って脅すんですよね
そんでトールにだけはこの時のロキが言った神のダメなところってのが刺さってて
あとで契約の話を知って「神とは卑劣な存在だ!」って自分たちへの非難をはじめる
トールはまっすぐやなあ…と(´・ω・`)
Forli様
コメントありがとうございます。
ご指摘の辺りは雑なテイストで書いてしまったので、神々の魅力を損なってしまったかも知れません。スミマセン。
原典を読むとトールは本当にまっすぐでイイ奴ですね!