第10楽節『グリームニルの詩・前編』

今回のお話は人間界から始まります(*’¬’)
俺の大好きな神様の登場です。


今は昔。
人間界のゴート王国(※ROのMobとは無関係です)に二人の王子様がありました。

アグナル王子&ゲイルドロ王子
長男アグナル王子が10歳、ゲイルロド王子が8歳の冬のこと。

二人は小舟に乗って釣りに出かけました。
しかし強風で沖へ沖へと流され一晩漂った挙句に、いずことも知れぬ岸辺にぶつかって船は壊れてしまったのです。
子供だけで水辺のレジャーは危険ですね(´・ω・`)
途方に暮れた二人の王子様でしたが、海辺をしばらく彷徨い歩くうちに一軒の質素な家を見つけました。

浜辺で救助を求める王子様
王子達『助けて下さい!僕達、ゴート国から流されて来ちゃったんです><;』
小さな王子様がたが助けを求めると、家の中から百姓の夫婦が出てきました。
男『ゴート国とはまた遠くから来たものだね。まだ小さいのに大変だったろう』
女『ペイントツールで1分で描いた様なみすぼらしい家ですけれどお上がりになって^^』
王子達『ありがとうございます!。・゚・(ノД`)・゚・。』

親切な夫婦の元で二人の王子様は一冬を越すことになりました。
母国に帰ろうにも冬の海は厳しいからです。
百姓の女は兄アグナルの世話をし、男は弟ゲイルロドの面倒をみました。
特に男の方はゲイルドロにべったりで、勉強を教えてやったり、二人であっちこっちにフィールドワークへ出かけたそうな。

彼らの暮らしぶりは本当の親子さながらでしたが、やがて冬も終り、別れの春が訪れます。

舟
男『とびきり丈夫な舟を用意したから、これで国へ帰ると良い』
女『ゴート国までの航路メモを作ったから、この通りに進むのですよ』
王子達『ありがとうございます!この御恩は一生忘れません><;』

王子様達が舟に乗り込む直前のこと。

男『ゴニョゴニョ……ボソボソ……』
ゲイルロド『ウン……ウン……OK!(・∀・)』

百姓の男は、可愛がっていたゲイルロドの耳元で何かを囁きました。
別れの挨拶でしょうか?航海安全の祈りでしょうか?
ゲイルロドはその言葉をしかと聞いて、沖合いへと漕ぎ出します。
二人が夫婦の言いつけ通りに進路を取ると、良い風を捕まえることができ、舟は無事母国ゴートの浜辺に辿り着いたのでした。

アグナル『やったー!戻って来れたぞー>∀<』
ゲイルロド『…………( ´,_ゝ`)』

弟のゲイルロドは何を思ったのか、櫂を抱えて先に岸に飛び降りました。
そして兄が乗ったままの舟を思いっきり蹴飛ばしたのです。

アグナル、流される
アグナル『な、何をするだァーッ!?』
ゲイルロド『うっおとしいぜッ!流されてモンスターにでも食われちまいな!(`∀´)』

オールを失った舟は、ただ波間を漂い押し流されるだけ。
どんどんゴートの岸から遠く離れてゆき、遂には見えなくなりました。
可哀想なアグナル王子を乗せて…。

ゲイルロドはそのまま何食わぬ顔で宮殿に戻ったのです。
ゲイルロド『みんな、ただいまー(*’ヮ’)ノ』
家臣A『Σ殿下!!ご無事だったのですか!!』
家臣B『ううっ、国王陛下が生きておられたらどんなにかお喜びになったでしょう…』
ゲイルロド『えっ、父上は死んじゃったの?(゚Д゚;)』

ゴート王は息子達が行方不明となった冬のうちに、心を痛めながらこの世を去っていました。

家臣C『一緒に出かけたアグナル様はどうなさったのですか?;;』
ゲイルロド『兄上は…舟が難破して死んじゃったんだ(´;ω;`)ブワッ』
家臣D『なんてこった\(^o^)/』
家臣E『…ということは次の国王はゲイルロド様ですな』
ゲイルロド『僕、父上や兄上の分まで頑張るよ.゚ヽ゜・。+(*’ヮ’)+。・゜ +.』

ゲイルロドはおうさまにしんかした
こうして兄を陥れたゲイルロド王子はゴート国の王様となったのでした。

なんて恐ろしい8歳児(゚Д゚;)
『幼い頃の海難事故でたった一人生還したスゲェ王様』として有名になったゲイルロド王でしたが、成人すると性格がどんどん激しくなり、虐殺や拷問をバシバシやる圧政を敷きました。
ところ変わって神様の国アースガルドにて…。

オーディンの城にて
最高神は玉座フリズスキャルヴの千里眼パワーで、人間界の様子を眺めていました。

オーディン『妃よ、お前の加護したアグナルを見ろ。くだらない巨人の女と所帯を持って洞穴なんかに住んでいるぞ』
フリッグ『……』
オーディン『一方、私が加護したゲイルロドはゴート国王だ。フフフ』

そうです。
キャラ絵が使い回しなんでバレバレですが、遭難した王子様を助けた百姓の夫婦は、オーディンと妻のフリッグが化けた姿だったのであります。

女神フリッグ
結婚を司るフリッグは、女神の中で一番偉いお方。

この夫婦は『人間の王子への加護比べ』をしていました。

> 王子様達が舟に乗り込む直前のこと。
>
> 男『ゴニョゴニョ……ボソボソ……』
> ゲイルロド『ウン……ウン……OK!(・∀・)』
>
> 百姓の男は、可愛がっていたゲイルロドの耳元で何かを囁きました。

↑この時に囁いた言葉とは…

オーディン『岸に着いたら櫂を取り上げて兄を流してしまえ。そうすればお前は国王になれる』

と主神がゲイルロドに入れ知恵していたのでした。
8歳児にろくでもないことを吹き込むなよ…。

オーディン『フフ、ブサイクな巨人女と結婚…マイホームが小汚い洞穴…ププッ』
フリッグ『お言葉ですけれどね。ゲイルロド王は客人を拷問にかけたり性格最悪ですのよ』
オーディン『何ィ、いい加減なことを言いおって』
フリッグ『では御自分の目で確かめていらしたら?』
オーディン『ああ、いいとも。ちょっとゴート国に行って来る』

フリッグの反論を受けて、オーディンはゲイルロド王を試しに人間界へと旅立ちました。
それが夫の態度に腹が立ったフリッグのだとも知らずに。
ゲイルロド王は暴君ではありましたが、客人には気前良くゴージャス接待をする王様でした。

フリッグは何に一番ムカついたのでしょうか?
多分…オーディンが悪知恵を働かせてゲイルロドを王位に就けたことより、結婚の神である自分が祝福したカップルを馬鹿にしたのがマズかったんだと思います。
『お前の御利益、大したことねーなwww』って意味ですよねコレ。

フリッグ(巨人だろうと、家がショボかろうと、あの二人は相性抜群のカップルなのに!キィィィ)

フリッグの逆鱗に触っちゃったオーディンは人間界で一体どうなるのでしょうか。
次回、第10楽節『グリームニルの詩・後編』に続く。

コメントする

CAPTCHA