第15楽節『神と巨人の決闘・5』

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決闘編エピローグ(‘◇’*)


マグニ、巨人の死体をポイ捨てする
今は昔。
巨人の下敷きになったトールは、息子マグニの怪力で命を救われました。
無事、アースガルドに帰り着いたトールは、脳にまで達した火打石を取り除くため、純支援プリ(巫女)のグロアに治療を依頼したのでした。

グロアの回復魔法
グロア『サンクチュアリ !! ヒール !! ヒール !! ヒール !! ヒール !!』
トール『お、おおお…!頭痛が治まってきた』

グロアは大変賢い巫女とあるのでINT極型のヒーラーさんですね(‘◇’*)
この支援プリさんは一晩中ヒール連打したらしい。
RO的に考えて雷鳥力が必要だろう!JK!!
とゆー訳で出番の少ないマイナー神のブラギ&イドゥン夫妻を登場させておいた。

脳挫傷は現代医療でも死亡したり、重大な後遺症が残ったりする大変な怪我です。
神話が形成された古代では、実際に戦争や決闘でこんな傷を負ったら、間違いなく命を失ったでしょう。
このエピソードでは当時の北欧大地の荒々しい闘争模様と、逞しい戦士&優秀な医者への憧れを感じます。

さて。
長時間の治療の甲斐あって、トールの傷はほとんど癒えていました。
あとちょっとヒールすれば頭蓋骨に食い込んだ火打石も摘出できそーです。
頭の痛みも和らいできたトールは、グロアの看病に感謝の意を示したいと思って、こんな話を振ったのです。

トール『お前の旦那のアウルヴァンディルなんだが…』
グロア『…!うちの人は…もう死んだんです…(遠い目』

グロアの顔色がサッと変わりました。
彼女の夫アウルヴァンディルは神様軍の兵士。
随分前に巨人国の戦線に送られ、そして帰って来ませんでした。
グロアは死んだ夫の昔話なんて聞きたくない!と遮りましたが、トールは構わず続けます。

トール『ふっふっふっ。実はな、こないだ巨人国遠征に行った時、アウルヴァンディルを救助したんだよ』
グロア『いいんです、今更そんな慰めなんて…(遠い目』
トール『い、いや、本当だって』
グロア『アウルヴァンディルは勇敢に戦って散ったんです…(遠い目』

巫女グロアは話に取り合わず、完全に『悲しみに浸る未亡人モード』でした。
いるよね、現実を見ないで勝手に悲劇のヒロインぶる女の人って。
そこでトールはグロアを納得させるために、夜空を指差して言いました。


トール『あの星を見ろよ、グロア』
グロア『初めて見る星ですね。でも、あの形はどこか見覚えがある様な…?』
トール『そりゃそうだ。あれは、アウルヴァンディルを搬送する担架から足の指がはみ出て凍傷になってたから、俺がボキッ!と折って天に投げて出来た星だ!』(※巨人国はスッゲー寒い)
グロア『た、確かにあの形は主人の足の指ソックリです!!』
トール『あの星は”アウルヴァンディルの霜焼けした足の指座”として永遠に輝くぜ。と、まぁ本当に助けて来たから安心しろよ!』

あ…アウルヴァンディルの霜焼けした足の指座…?
自慢げなトールには悪いけどロマンチックさの欠片もねぇ!
今までに出てきた”シアチの抉られた両眼星座”に勝るとも劣らないグロさ。

聖闘士星矢のアスガルド編(※北欧神話をモチーフとしたTV版オリジナルシリーズ)で…
北欧の神闘士A『我が名は”アウルヴァンディルの霜焼けした足の指星座”のグロア!(ドーン』
北欧の神闘士B『我が名は”シアチの抉られた両眼星座”のスカジ!(バーン』
青銅聖闘士『……(‘ヮ’;(゚Д゚;(・ω・;(´<_,`;)oO○(俺ら、ギリシャ神話の戦士でマジ良かった』

…とか登場させるべきだった。
ネタが古い!とか言った奴は足の指をもぐ。

現代日本人には麗しさを若干感じづらい星座エピソードですが、戦死したとばかり思っていた夫が生きて戻る、しかも肉体の一部が星になるという栄誉を得た…と知ったグロアは喜びに沸きました。

グロア『ダーリンが帰って来る!.゚ヽ゜・。+(*ノωノ)+。・゜ +.』
トール『喜んで貰えて良かったぜ♪』
グロア『アウルヴァンディル !!あなたに会いたい !!.゚ヽ゜・。+(*ノωノ)+。・゜ +.』
トール『すぐに会えるって。さ、そろそろ治療の仕上げを…』
グロア『アウルヴァンディル、愛してる !!.゚ヽ゜・。+(*ノωノ)+。・゜ +.』
トール『あの、治療……』
グロア『アウルヴァンディル、愛してる !!.゚ヽ゜・。+(*ノωノ)+。・゜ +.』
トール『プリさん、ヒール^^;』
グロア『アウルヴァンディル、愛してる !!.゚ヽ゜・。+(*ノωノ)+。・゜ +.』
トール『プリさん、ヒール!!!!!!!!!』

トールのヒール乞いも虚しく、グロアの脳内はダーリン一色。
治療の続きなんて全く忘れてしまったプリさんは、その後一回もヒールを唱えませんでした。
そんな訳で、トールの脳内に食い込んだ火打石は残ったまんまとなったのです。
良かれと思って夫存命の話をしたばっかりにトール涙目。
まあ、傷は99.9%治っていたので重篤な後遺症は残らず、トールはその後も元気に巨人と戦っています。

ただ頭に火打石を宿していたので、トールは火属性を持つ様になりました。
だから本職は雷神だけど、ROではトール火山という地名が付いてるんだと思います(・ω・)
しかし俺はその点は割りとどーでもいいです。
この傷に関して、見過ごせない伝承がもう一つあります。

トールは頭に火打石が入っているので、単純で短気な性格(※火打ち石の様に、すぐ火がつくの意)』

……。
宴席でのフルングニルとの会話からして、トールの脳筋は負傷の遥か以前からだろ!
生まれつきか、もしくはオーディンの育て方がマズかったんじゃないの!?
これはあれですね。
頭の鈍さを指摘された際に…

トールに説教をするオーディン
オーディン『全くお前は知識の神である私の息子だというのに、まるで賢さが足りんぞ』
トール『ほら、俺は頭に怪我したから仕方ないだろ。諦めろよ親父』
オーディン(ウーン。私の遺伝子や子育てが原因だとは認めたくないから、それで良いか…)

こうやって言い訳したんですね。
オーディンの面目も立つし。

トールは確かに頭がお馬鹿さんですが、巨人との戦いでは最前線に立って真面目に働く、家族思いの素敵な神様です。
彼の活躍なくして、アースガルドの繁栄は語れないでしょう。
リアル古代北欧では、軍神フレイと同様に最高神オーディンと並列してトールは崇められていました。
むしろずる賢いチート神のオーディンに似なくて良かったと俺は思うよ!

さて、エピローグも語り終えたところで、決闘編はお開きでございます(・ω・)
また別の神話でお会いしましょう(*’ヮ’)ノシ~~

  1. 神闘士・・・なつかし過ぎる・・・
    アスガルド編のときは、○学生だったなー
    >オーディンに似なくて・・
    似てるところは、女に弱いぐらいか・・・?
    まあ、トールはラグナロク時に死んでないって説もあるぐらい人気あるから、当時の人もカップリングしたかった・・のかな?

  2. ネタがふr・・・おっと誰かきたようだλ………
    グロアさんのろけすぎwww
    ちゃんと火打ち石までとってあげてくだしあ><
    次のお話wktkしてまってますね(・ω・)

  3. >ジルさん
    親父に似ている点は『女に弱い』『癇癪持ち』なところかなー。
    オーディンやフレイは王侯に人気だったけど、トールの主な支持層は農民・庶民だったらしーよ。
    何か分かる気がする(・ω・)
    >アゲハ
    足の指をもぐ!
    …よく考えたら20年以上前のネタだった。
    ROプレイヤーの過半数に通じなさそうだ(‘A`)

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