第21楽節『神々と賠償金・6』

投槍北欧神話・第21楽節『神々と賠償金・1』
投槍北欧神話・第21楽節『神々と賠償金・2』
投槍北欧神話・第21楽節『神々と賠償金・3』
投槍北欧神話・第21楽節『神々と賠償金・4』
投槍北欧神話・第21楽節『神々と賠償金・5』
の続き(*’ヮ’)

本編はこれで最終回。
更新間隔が開いてスイマセン…。


強盗するロキ
今は昔。
オーディンから仕込まれた『キモオタ黒妖精から黄金を強盗して慰謝料に当てよう☆作戦』を実行し、ロキは無辜の民アンドヴァリから全財産を脅し取りました。
しかし黄金には、理不尽な仕打ちを恨んだアンドヴァリの呪いが込められたのでした。
ロキが黄金を持ってフレイドマル農場に戻ったのは、夜が明け、日も随分高くなった頃です。

帰って来たロキ
ロキ『はぁっはぁっぜぇっぜぇっ、待たせたな二人共!(;`・ω・´)ゞ』
オーディン『…遅過ぎるぞ、貴様…』
ロキ『何言ってんだ、俺は全力で黄金を取って帰って来たっつーの』
オーディン『ならば、その口の周りに付着した食べカスは何だ…』
ロキ『あのですね、お義兄様。黄金の密度は1リットルあたり19.3キログラムあるんすよ』
オーディン『私は知識の神だぞ。それくらい知っとる』
ロキ『腹ごしらえも無しで、んなクソ重いモンを2袋も担いで歩けっつーのかよwwwwwwww』
オーディン『私の命は黄金より重いだろう、常識的に考えて!それを道草なんぞ喰いおってからに…』

身代金を用意する道中、ロキはわざとダラダラしたと原作で語られていますが、エーギルさん家まで数十kmの海を往復し、袋一杯に詰め込んだ黄金を黒妖精国から運搬するのってスゲー重労働だと思います。
しかも空飛ぶ靴を奪われてたってことは裸足ですよ彼。
ロキは頑張った!
ここは素直に認めてあげたい(*’ヮ’)
オーディンの機嫌を直そうと思って、ロキは耳打ちをしました。
またしてもヘーニルは蚊帳の外…。

指輪を見せるロキ
(WIS)
ロキ『なぁなぁ、見て見てwこの指輪w』
オーディン『ほう、精巧な彫金仕立てだな』
ロキ『この指輪を取り上げたらアンドヴァリの奴がさー…』
オーディン『上物だから私が個人的に貰っておこう(キリッ』
ロキ『いや、あの…これは呪…』
オーディン『いいから寄こせ』

ロキが嵌めていた指輪は、デザインの美しさに心惹かれたオーディンの指を飾ることになったのです。
古代北欧は戦争と略奪の地。
神話の中でも弱肉強食(ry
ええい、どうフォローすれば良いんだよ、この最低ブラザーズは…(‘A`)

フレイドマル『ゲヘヘ、やっと黄金を持って来たな』
ロキ『おう。だから、早いとこ俺の靴を…』
フレイドマル『駄目だ!要求額に足りてるか確認してからだ!』

黄金を積み上げるフレイドマル
強欲なフレイドマルは宝の山を目の前にしても、すぐには神々を解放せず、息子オッタルの生皮に黄金を詰め始めました。

生前のオッタル君も、まさか自分が黄金詰めの剥製にされるとは思ってなかったでしょうね…。
条件通り、頭のてっぺんから尻尾の先までパンパンに金で満たされると、今度は死体をすっぽり覆う様に黄金が積み上げられてゆきます。
生前のオッタル君も、まさか自分が黄金の墓に葬られるとは(ry
ともあれ、こうしてフレイドマル宅に小高い黄金の山が築かれたのでした。
カワウソの死骸は黄金に埋もれて全然見えやしません。
これで神々も釈放される!と胸を撫で下ろしました。

ロキ『よっしゃ、これでおkだな(*’ヮ’)』
フレイドマル『待てぃ!』
ロキ『(゚Д゚)?』


フレイドマル『ここをよーく見ろ!オッタルのヒゲが一本ハミ出てるじゃないか!』
神様トリオ『ナニィイ!?』
フレイドマル『債務不履行だ!』
ロキ『ヒゲなんか黄金の隙間に押し込んじゃえば…(;’ヮ’)』
フレイドマル『駄目だ!このヒゲまで完全に黄金で埋め尽くさなかったら全員殺す!』

何ということでしょう。
ごーつくばりなフレイドマルは、とことんまで神々の足元を見て不服を唱えたのです。
一生遊んで暮らせるだけの賠償金が差し出されたというのに、譲歩する気配は一切ありません。
ロキはジトッとした眼差しでオーディンをせっつきました。

ロキ『お義兄様…』
オーディン『……』
ロキ『さっきのアレ!アレ!』
オーディン『チッ!』

ロキに促されたオーディンは渋々ながらも、先ほど没収した指輪を外しました。
そしてカワウソのヒゲ部分に乗せたのです。

オーディン『ヒゲも隠れたぞ。これで異存はないな?』
フレイドマル『毎度wwwwww』
自由になった神々
フレイドマル『黄金がいっぱいww今日からワシは大・金・持・ちwwwwwwwwww』
レギン&ファヴニル『やったね、父ちゃん!』
フレイドマル『あ、もうアンタら帰って良いよwwww』
オーディン『フン、出立の準備をするぞ』
ヘーニル『まぁ、自分の懐が痛んだ訳じゃないし…別に良いよ…』
フレイドマル『ガハハ、おうごん!おうごん!( ゚∀゚)o彡゚』
ロキ『( ´,_ゝ`)ニヤニヤ』

法外な量の黄金を搾り取ったフレイドマルは御満悦。
ようやく神々の拘束を解き、オーディンにはグングニールを、ロキには空飛ぶ靴を返却したのでした。
もうこんな所には一秒だって居たくない神々は急いで身支度を整え始めます。
その間、黄金の前で小躍りする人間達を見つめながら、ロキは嫌らしい笑みを浮かべていました。

神様トリオは支度を終えると、挨拶もせず農場を後にしたのです。
三人ともクタクタに疲れきっていました。
オーディンとヘーニルは十数時間も縄で拘束されてゴハン抜き。
ロキはロキで人間界~黒妖精界をパシりに行くハメになるし。
『野宿の方がマシだった、チクショー!』と心の中で叫んでいたでしょう。
重たい足を引きずり幾らか歩いた所で、悪戯者の神は立ち止まりました。
そして黄金にすっかり目が眩んでいるフレイドマルに向かって呼びかけます。

フレイドマル『ギヒヒ、おうごん!おうごん!( ゚∀゚)o彡゚』
ロキ『おーい、おっさーん!』
フレイドマル『グフフ、おうごん!おうごん!( ゚∀゚)o彡゚』
ロキ『それなぁ、俺がキモオタからカツアゲした黄金で、素敵なおまじないがかかってるんだぜー!』
フレイドマル『ゲヘヘ、おまじない!おま…じな…い……?(;゚∀゚)o彡゚』
ロキ『フフ…( ´,_ゝ`)』

呪いをかけるロキ
ロキ『呪ってやるだ!オラの黄金でリッチな生活なんかさせねぇ、みんな不幸にしてやるだ!!』

ロキは一言一句違わず、アンドヴァリの呪いの言葉を復唱しました。
この儀式によって、黄金の災いパワーは新たな所有者フレイドマルに移ったのです。

ロキ『呪われて不幸になれwwwざまぁカンカンwwwおしーりペンペンwwwwwwwww』
フレイドマル『ちょ、まっ…詐欺じゃねーか!』
ロキ『あばよwwww(ヒューン!』

フレイドマルは事実を知って慌てふためきましたが、もはや後の祭り。
神様トリオは農場から遠く離れていましたから、捕らえ直すことなどできません。
多分、追いかけたとしても呪いが発動して、バナナの皮で滑って転んでウンコに手をついたり、金ダライが頭上から落下したり…と絵に描いた様なトラブルに見舞われて神々を捕らえることは不可能だったと推察。
息子の死をダシにお金儲けを企んだからバチが当たったっつーことですね。

ここから先は俺の想像による産物です。
三度の飯より他人の不幸が大好きなロキは、フレイドマルに仕返しできて気分爽快。
…しかし彼はものすごく大事なことを忘れていました。

ロキ『あー、スッキリしたー!いい気味だぜwwwなぁ、オーディ…』

スピアブーメラン!!
オーディン『スピアブーメラン !!』
ロキ『ゴフッ!!!(;゚ 3゚)・∵.

フレイドマルから取り戻したばかりの神槍グングニールがロキ目がけて発射されました。
最高神オーディンは怒り心頭の御様子です。

荒ぶるオーディン
オーディン『貴様…何故、呪いのことを言わなかった!?危うく私に災厄が降り注ぐところだったぞ!!』
ロキ『エー!?Σ(゚Д゚;)』

そうです…。
もし『ヒゲが出てるし!』とフレイドマルが物言いをつけなかったら、呪われた黄金の指輪はオーディンの指に嵌ったままだったでしょう。
その場合、呪いの対象はフレイドマルだけでなくオーディンも含まれちゃった訳で…。

ロキ『アンタが有無を言わせず巻き上げたんだろーがwwwwwwwwwwwwwww』
オーディン『許さぁあぁぁぁあぁん!!』
ロキ『うわーん、いつか謀反を起こしてやるぅぅ。・゚・(ノД`)・゚・。』
ヘーニル(まぁ、何でも良いや、もう…)

かくして神様トリオはフレイドマルの手から逃れることができましたが、呪いの事実を後出しにしたロキは新たなる命の危機に瀕したのでした。

めでたしめでたし?
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次回は賠償金事件の後日談でございます(・ω・)

  1. その話に到達するまで一体何年かかるんだろう…。
    その頃にはROサービス終わってそうだ。

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