第21楽節『神々と賠償金・3』

投槍北欧神話・第21楽節『神々と賠償金・1』
投槍北欧神話・第21楽節『神々と賠償金・2』
の続きです(・∀・)


拘束された神様トリオ
今は昔。
神様トリオは人間界でカワウソを狩って、農夫フレイドマルの家に宿泊しました。
しかし何という運命の悪戯でしょうか。
そのカワウソはフレイドマルの長男オッタル君が化けた姿だったのです。
復讐心に燃える父フレイドマルは虚を突いて神々を拘束したのでした。

フレイドマル『さー、どいつから殺そうかな』
オーディン『待ちなさい。オッタルが人間だと知っていたら、私達だって殺さなかった』

フレイドマル一家は仇をとるために殺る気マンマン。
神々もむざむざ殺される訳にはゆきませんから、必死でフレイドマルを説得します。

オーディン『これは故意の殺人ではなく過失致死だ。そうでなければ死体を持参して、その家族の農場に現れたりするものか』
レギン『でも最近は物騒だし』
ファヴニル『遺族に死体を見せびらかす猟奇殺人犯かも知れないし』
ロキ『うんうん、お義兄様って拷問とか火あぶりとか死刑とか大好きな猟奇趣味だし』
オーディン『お前は黙っとれ!…御子息のことは大変遺憾に思います。どうか慰謝料を払わせて下さい』

息子の目の前で父王を殺した前科のあるオーディンが言っても説得力ゼロよ(・ω・)
しかしこの事件において神々に非が無いのは確か。
最高神は身内を殺害された場合の選択肢B『慰謝料の支払い』を提案しました。
そして読者の皆様は北欧神話のお約束をもう一つ覚えていますか?
『お願い事をした場合、100%無理難題を突きつけられる』です。

フレイドマル『まぁ、ワシも鬼じゃないからな。殺意が無かったのなら慰謝料で勘弁してやろう』
神様トリオ『ホッ…』
フレイドマル『よーし。レギン、妹達を呼んで来い』

オーディンの懇願を受け入れたフレイドマルは何故か二人の娘を呼びました。
そして…

オッタルの生皮を剥ぐ娘達
娘達にオッタル君の死体から生皮を剥ぎ取らせたのです。
フレイドマルはペロンペロンに剥かれたオッタルの皮を前にして、神々に示談の条件を述べました。

フレイドマル『息子の皮の中に、黄金をパンパンに詰め込んで貰おうか』
神様トリオ『……』
フレイドマル『そんでもって、その上から黄金で死体をカンペキに覆いつくすんだ』
神様トリオ『……』
フレイドマル『本当にすまないという気持ちで胸がいっぱいなら、そんな黄金微々たる量だろ!www』
オーディン(やはり足元を見て法外な額面を提示したな…)
ロキ(皮を剥いだ肉はどうするんだ!?捨てるなら俺に食わせろ!)
ヘーニル(実の兄の皮を削ぎ落とす方が残酷な気がするけど…まぁ、いいよ…)

現代日本人である俺には、過失致死が駄目で死体損壊がOKな感覚が分かりません。
いくらカワウソ姿だからって、そっちの方が残虐じゃない…?
実の息子・実の兄貴だよ…?
神や巨人だけじゃなくて、一般人の農夫のオッサンからして北欧神話は荒ぶり過ぎだ!

さて。
フレイドマルの要求が日本円に換算して何千万~何億円に相当するのか分かりませんが、とてつもない金額であるのは確かです。
オーディンは知識の神としての高INT力をフル回転して解決策を考えました。
そして、こっそりと義弟ロキに耳打ちしたのです。

オーディンとロキ、密談する
(WIS)
オーディン『止むを得ん。お前が黄金を取りに行って来い』
ロキ『何で俺に振るんだよ。ヘーニルのが足速ぇーじゃん!』
オーディン『あいつだけは装備品を奪われていないだろう』
ロキ『あー、人質っつーか”モノジチ”がないわな…』
オーディン『大体、あの大雑把な性格でマトモに身代金を持って帰れると思うか?』
ロキ『無理だね☆ミ』
オーディン『だから、お前が行くんだ』
ロキ『アンタが自分で行けば良…いや、何でもありません』

こんな会話は神話に無いけど、自分の命がかかったお使いミッションをロキとヘーニルのどっちに託すかって言ったらロキ一択っすよね…。
ロキもかなり性格に難のある神だけど、ミッション成功率は100%と言って良い実績があります(・ω・)
第2話イドゥン救出第3話スカジ爆笑第6話工事妨害etc,)

ロキ『ところでさ、お兄様ってアース族の最高軍神だよね?』
オーディン『うっ…』
ロキ『何、ふん縛られてんすか?wwwww』
オーディン『うるさい;;』
ロキ『ダッセーーー!( ´,_ゝ`)ウププー』

権謀術数に長けた最高神も不意打ちには弱かったのでしょうか?
この点については後日講釈させて頂きます(*’ヮ’)
…宿題ばっかり貯まっていく…。

ロキ『まー、俺もあの靴はお気にだしな。黄金を取りにアースガルドまで、ひとっ走り…』
オーディン『待て、話を最後まで聞け』
ロキ『なんぞ(゚Д゚)?』
オーディン『良いか?…ゴニョゴニョゴニョ…ボソボソボソ…』
ロキ『ほうほう…ふむふむ…なるほど…』

オーディンはロキに身代金調達の方法を指示しました。
…何やら怪しい雰囲気を醸し出しています。

密談に加わらないヘーニルさん
ヘーニル(悪口と悪事の気配がする…けど、まぁ何でもいいや。任せよう…)
ヘーニルは蚊帳の外(*’ヮ’)

この神は一体何のために登場したんだろう…?
完全に背景キャラなヘーニルを余所に、オーディンとロキは慰謝料工面の打ち合わせを終えました。

ロキ、調達員として手を挙げる
ロキ『そんじゃあ、俺がPT代表として慰謝料を取りに行きます』
フレイドマル『お前が逃げたりしたら、残りの二人は殺すからな』
ロキ『むしろその方が嬉し…ゲフンゲフン…大丈夫です!山ほど黄金を用意します』
フレイドマル『お前の靴も肥溜めに突っ込む!』
ロキ『ちゃんと黄金持って帰るからホント止めて!ホント止めて!Σ(゚Д゚;;)』

慰謝料調達の任を負ったロキは身体の拘束を解かれ、自由の身となりました。
そして友の命と自分の装備を救うため、フレイドマル農場を後にしたのです。
辺りは真っ暗な夜の闇。
本当だったらカワウソの肉と魚をおなか一杯に食べて、楽しい旅の一夜を過ごすはずだったのに…。

考えるロキ
ロキ(待ってろよ…オーディン、ヘーニル…)

さっきまで自分がそうであった様に、手足に縄をかけられ虜囚となった二人の神を思い起こし、彼は心の中で誓ったのです。

ロキ(できるだけゆっくり慰謝料を取りに行くから、イモ虫みたいに這いつくばって俺の帰りを今か今かと首を長~~~~くして待ち侘びてろよ!!ざまぁwww)

おやおや…
果たしてこんな性格のロキがちゃんと黄金を持ち帰って来るのでしょうか?
次回に続く(*’ヮ’)

ロキ『ゆっくりしてくるぜ!』
更新もゆっくりだぜ!

  1. 更新のゆっくりは駄目だよ!w
    しかしロキいい性格してるなー、オーディンが横に置いてたのは任務の成功率が100%だったからなのかなー、これも終わったらわかることか

  2. お前ら、コメントつけるの早ぇーよ(゚Д゚ )
    ゆっくりでいいよ!
    >海
    オーディンとロキがつるんでた理由もいつか書きたい…けど、一体いつになるやら…。
    ゆっくりお待ち下さい。
    >りく
    古代北欧人は何を思って、こんな性格の神を考案したんだろうね(゚Д゚)

  3. つづきまだですか(´▽`*)
    きっとオーディンのことだから、超ふまじめなロキを傍に置いておけば自分の悪行が霞んでしまって、
    問題にならないと考えたに違いない

  4. >自分の悪行が霞んでしまって、問題にならない
    それは確かにある…w
    オーディンも酷いのに、ロキが飛び抜け過ぎてるw

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