第29楽節『波の乙女』

ヘイムダル
門番神ヘイムダルは如何にして生を受けたのか!?という謎に、俺の妄想に基づく捏造神話で挑みます。
嘘神話なので安心して読み飛ばして下さい。


ヘイムダル最大の謎は『出生の秘密』です。
前回も書いたけど、確固たる資料がないんだ…。
フレイ&フレイヤと同じヴァン神族説など諸説ありますが、中でも有力そうな説を下敷きにします。
まず母方の祖父母が…

エーギル&ラーン
人間の船乗りを溺死させて黄金をカツアゲする、海の災害担当神エーギル&ラーン夫妻!

この二人がヘイムダルのおじいちゃんとおばあちゃん…?
正義感溢れるヘイムダルとは性格がかなり異なる様な…??
…と思ったんですが、血統を感じさせる部分もあります(・ω・)
『炎の首飾り編』では省略しましたが、VSロキ戦は海辺がステージだったんです。
水やアザラシに化けて応戦してたし、海神の性質は遺伝してるみたい。
またエーギル&ラーンは天上界ではなく下界ミッドガルドの海を本拠地としています。
そしてヘイムダルはアースガルド国境警備。
この一族は『辺境担当』だったんじゃないかな~。

問題となるのはヘイムダルの母親。
エーギル&ラーンの娘で『波の乙女』と呼ばれる、水を司る女神様です。
その名も…

波の乙女
ブローズグハッダ、ヘヴリング、ヒミングレーヴァ、コールガ、フロン、ドゥーヴァ、ウズ、バーラ、ビュルギャ。
以上の計9人。

はい。この9人がヘイムダルの母親だそうです。
……。
ちょっと神話書いた奴出て来い(^ω^ )
オカンが9人いるって、どういうことだよ!
実母じゃなくて乳母や育ての親か?
せっかくヘイムダルが海神ルーツだと納得できたのに意味が分からねぇ。
ついでに、ゲストキャラの癖に9人1セットとか、挿絵を作るのがダルいんじゃボケェヽ(`Д´;)ノ
もうグラフィックは使い回しで。。。

更に父親が誰なのかも曖昧。

軍神チュール
一説によれば、最高神オーディンが父。

オーディンが9人の娘に手を出す様子は簡単に想像可能ですが、『9人の娘から1人の神を誕生させる』なんて器用なマネができるのかー!?(;´Д`)
別な神話を足がかりにしてみましょう。

軍神チュール
『スノリエッダ』で軍神チュールが実家の両親と再会する有名な話があります。

しかし同じ『スノリエッダ』の違う章には『オーディンの子・チュール』と書かれているのです。
オーディンは他種族のエリートを義兄弟・養子に迎えて国力upを計っているので、『○○はオーディンの息子』と記されていてもイコールで『実父』とは限らないのです(・ω・)
よってヘイムダルもオーディンの養子なのだと俺は考えています。
しかし『母が9人』という謎設定が解決されません。
乳母・養母説を否定する要素はありませんが、個人的に前述の『ヘイムダルの能力は海神の遺伝』説を支持したいので捏造神話で補完します(*’ヮ’)

波の乙女達
今は昔。
エーギル&ラーンの娘である波の乙女達は人間界のフレスエイ島でダベッていました。
『女三人寄れば姦しい(かしましい)』という諺がありますが、彼女達は9人姉妹です。
姦しい×3ですよ!
そりゃーもう話に花が咲いて仕方なかったでしょう。
今も昔も、若い娘の話題つったら…コイバナですよね!(*’ヮ’)
異論は認めない。

ブローズグハッダ『お姉ちゃん達の理想の男ってどんなん?あたしは色白美肌なイケメンがタイプ^^』
ヘヴリング『並みのイケメンじゃ駄目よ。歯が黄金で出来てる位ファンタジックな美形(*´∀`*)』
ヒミングレーヴァ『私はオーディン様に匹敵するインテリが良いわ』
コールガ『男は腕っぷしの強い軍神に限るって!』
フロン『…変身して戦えたら…強そう…』
ドゥーヴァ『千里眼と地獄耳の超能力があったりして☆』
ウズ『性格も重要じゃないかなぁ?ロキみたいな性悪じゃなくって、マジメで礼儀正しい人
バーラ『うん。女遊びする人はヤダ
ビュルギャ『それじゃあ日夜、悪と戦う正義のヒーロー♪なんてどうよww』

波の乙女達が口々に理想の王子様(笑)談義をしていると、そこに両親である二人の海神がやってきました。

荒ぶるエーギル&ラーン
エーギル『お前ら、こんな所でなに油売ってんだー!(゚Д゚#)ゴルァア!』
ラーン『仕事手伝いな!さっさと船を沈めて来るんだよ!』
波の乙女達『はーい><;』

波の乙女が去った海辺
おっかない両親に叱られて、9人姉妹は冷たい海底へ人間を引きずりこむ仕事に戻りました。

『波の乙女』とは響きが美しいですが、父母と同じく海の災厄担当。
つまり難破、溺死を起こす『荒れ狂う波』を司った、コワーイ女神様なんですね。
それぞれの名前の意味は…

ブローズグハッダ=『血に塗れた髪』
ヘヴリング=『高波』
ヒミングレーヴァ=『天に輝ける者』
コールガ=『津波』
フロン=『重なる波』
ドゥーヴァ=『沈める波』
ウズ=『叩きつける波』
バーラ=『漂流者を弄ぶ大波』
ビュルギャ=『取り囲む者』

9人いると紹介するのも大変だ(‘A`)
ヒミングレーヴァ以外、いかにも災害神らしく禍々しいお名前。

フレスエイ島・海岸
浜の砂に寄せては返す波。
その飛沫には波の乙女の神様パワー×9が溢れています。

 ……色白美肌なイケメン……
………歯が黄金で出来てる……
  ……インテリ……
……腕っぷしの強い軍神……
  ……変身して戦えたら……

……千里眼と地獄耳……  
……マジメで礼儀正しい人……    
……女遊びする人はヤダ……  
……日夜、悪と戦う正義のヒーロー……   



水のうねりは一つの強い想いに満ちていました。
『こんなカレシ欲しい><』…と。
そして…

ヘイムダル誕生
波しぶきが結晶し、白く輝く一人の男の子の形となったのです。

それは色白美白・総金歯・知力・腕力・変身能力・千里眼&地獄耳・真面目な性格・美神フレイヤにも惑わされぬ女性への淡白さ・24時間365日外敵と戦うタフネス…という9人姉妹の理想を備えた立派な神様でした。
そう、ヘイムダルは神々の想像妊娠でマジに生まれた神!
俺の脳内では。

「白き神」の異名を持つヘイムダルは『波の輝き』とか『水平線から昇る朝日』の化身だとか、そっから生まれたって説があるんで、誕生の由来はともかく誕生シーンの挿絵はそんなに間違ってないと思う\(^o^)/
驚愕するエーギル
エーギル『あ?坊主、どっから来た(゚Д゚)』
ヘイムダル『私は9人の波の乙女の神通力によって、この世に生まれました』
エーギル『馬鹿娘どもが嫁き遅れの上、未婚の母に!?Σ( ̄Д ̄;)』
ラーン『アンタ才能ありそうだし、オーディン様の養子にして頂きな』
ヘイムダル『わかりました』
ラーン(ウチに置いといたら、この子を巡るバトルロワイヤルになるからね…)

こうして「白き神」ヘイムダルは、最高神オーディンの里子に出されました。

虹の橋ビフレストを護るヘイムダル
乙女の妄想が寄り集まった、えらく都合の良い能力のおかげで彼はオーディンに認められ、虹の橋ビフレスト番人に取り立てられます。
その後の働きぶりは皆様も既に御存知の通り。
神話末期まで彼は滅私奉公で任務をこなし、アースガルドの平和を永く支えましたとさ。

めでたし、めでたし。

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以上、俺の捏造神話でした。
この筋書きに根拠はないけど、波の乙女がイケメンに弱かったのは事実です。

沈没船の船乗りを見逃してあげる波の乙女
波の乙女『オラオラ!ブタ箱にぶち込まれたくなきゃ黄金を出しな!ヽ(`∀´(`∀´(`∀´)ノ』
船乗りA『ひぃ、命ばかりはお助けを(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル』
波の乙女『やっだー、イケメンじゃーん(ノ∀`*)』
波の乙女『よっしゃ、近所の港まで送ったる!』
波の乙女『パパには内緒だヨ☆』
船乗りA『……(;´Д`)』

沈めた船の乗員や漁師が好みのタイプだった場合、溺死させずに陸へ返してあげることもあったそうな。
年頃の女の子っぽくて可愛いですね。
波の象徴である彼女達は人魚の姿で表現されることがあります。
まぁ人魚っつっても不吉な神様なんで、

オボンヌ
↑こんな感じの陰鬱な人魚ですが。

デンマークの童話作家アンデルセンの『人魚姫』も難破船に乗っていたイケメンを助けてあげる話。
海神エーギル一家の住まいはデンマークのレーセー島だし(第21話参照)、もしかしたら人魚姫は波の乙女の血を引く子孫だったのかも知れません。

【今回の結論】
『イケメンは正義><』が高じて誕生したのがヘイムダル。

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