第42楽節『知の血戦・蛇足篇』

ヴァフ戦・後編に入んなかったオマケ。

今回はフル投槍解釈なんで、読まなくても全然おっけーですよ。

第42楽節『知の血戦・1』
第42楽節『知の血戦・2』


今は昔。
最高神オーディンは賢巨人ヴァフスルーズニルに知恵比べ一騎討ちを挑み、見事勝利を収めました。

既に書いた事ですが…


神話世界では、死者の知識を物理的に吸収できます。

オーディンvsヴァフがお互いの首を賭けたのは、相手の知恵を我が物にする魂胆からでしょう。
勝者となったオーディンは、相当EXP稼いでINT強化できたと思います。

これまでのお話で、彼が如何に知恵を求める男であったか、その修業っぷりを幾つか御紹介しました。


世界樹イグドラシルに己を吊ったり、知識の泉に片目を捧げたり、危険な冒険の末に詩の蜜酒を奪還したり…。
全ては賢さを追究したエピソードです。

現代社会に生きる我々は座学やOJTといった形で何かを学びますが、最高神はけっこー体を張ってますよね。
神話の中だと、頭良くなるためには体力&度胸が無いとダメなのかなw
軟弱者な俺は生きていけない…。
アースガルドに栄華を齎したのは、彼が修行で得た大いなる知恵に違いありません。

しかし…。
今回のINT強化は、一連の修行と一線を画します。
俺はヴァフ戦=バルドゥル暗殺以降だと考えているためです。

詳細を省いてザックリ書くと…


ロキ『ヘズ君、この枝あげるから、バルドゥルに投げてみ?ホレ、投げてみ??(`∀´)』
ヘズ『頑張る^^』

神話末期、ロキが盲目のヘズを唆し、ヤドリギ耐性0%のバルドゥルにミステルテイン(※ヤドリギの意)をぶん投げさせます。
結果、光の神は即死。

ロキはオーディンと血の契りを交わした義弟。
バルドゥル・ヘズはいずれもオーディンの実子。
家族の絆を大切にする神様にとって、あまりにも酷い謀反劇でした。

神々はバルドゥル復活儀式に奔走しますが、これまたロキが裏工作して蘇生は失敗に終わるのです。
(※バルドゥル暗殺事件はちゃんと書こうとするとスンゲー長いので、各自で本を読んで下さい)


ヴァフ戦・最終問題の対話で『最高神オーディンが、死せる息子の耳元で囁いた言葉』は、『昔の出来事』と過去形で書いてあるんで、俺的には予言じゃないカウントになっております。

えー、何が言いたいかとゆーと。

 

暗殺事件以降にヴァフ戦と仮定するならば…。
ヴァフ戦の時点でオーディンは既にロキの奸智に敗北しています。

 
ロキに敗れたが故、バルドゥルを謀殺されたのです。
ロキに届かなかったが故、バルドゥルを復活できなかったのです。

バルドゥル・ヘズを介した、オーディンvsロキの知恵比べは、最高神たる彼が完全敗北を喫したと言えます。
そこから世界は綻び始め、神々は破滅に向かって行くのです。

何故オーディンはヴァフスルーズニルと決闘したのか?
来るべき最終戦争ラグナロクに備え、有力な巨人を殺し、敵勢力を減退させる目的もあったでしょう。
しかし、目当てはやはりINT強化に思えます。

なぜならば…


己の知恵を凌駕する裏切者を打ち倒すべく、オーディンは死ぬ気のレベル上げが必要だったのですから!

こんな真相ではないでしょうか。

きっと彼の悠久に渡る生涯で、これが最も辛い修行。
愛息子の死を切り札に使わなければ勝てない、際どい勝負に挑まなければならないんですもの。
神話末期、オーディンはもはや形振り構っていられなかったのです。

そして最も悲しむべきは……これ程の過酷な修行をもってしても、破滅の運命から逃れられない事。
彼は17番目の問いかけで、己の死を自覚しています。
どんな精神状態でレベリングしていたのか、神ならぬ我が身にはやっぱり想像できません。

たまにはシリアスぶってみました。
蛇足おわり。

  1. 今回は捏造解釈ですが、きっとオーディンはかっこよかった…はず…きっと…。

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