【良い子の皆さんへ】
なぞなぞで命を賭けてはいけません。
第42楽節『知の血戦・1』の続きだよ(・ω・)
すまない…考え無しにダラダラ書いてたら、異様に長くなった…。
今は昔。
最高神オーディンは賢巨人ヴァフスルーズニルの館を訪れ、知恵比べを挑みます。
伯仲する実力に、ヴァフ氏は『命を賭けようぜ!』と福本伸行キャラの様な事を言い出したから、さぁ大変。
INT頂上決戦の行方や如何に!
北欧神話なぞなぞ対決・第2ラウンド!
質問者はオーディンに交代です。
オーディン『第1問:陸・空・海の製造材料は?』
ヴァフ『大地⇒ユミルの肉、山⇒ユミルの骨、空⇒ユミルの頭蓋骨、海⇒ユミルの血』
オーディン『正解だ』
ユミル100%。
ちなみに製作者はオーディン・ヴィリ・ヴェー3兄弟(第18話参照)
最高神ブラザーズがユミルを暗殺し、遺体を腑分けして陸・海・空を創りました。
後述しますが、ユミル生誕以前に世界は存在していたので、ゼロから天地開闢…とゆーより開墾・整地のが俺的にしっくりきます。
オーディン『第2問:太陽&月を生み出した者は??』
ヴァフ『ムンディルファリ!』
オーディン『正解だ』
ムンディルファリ家の面々(第40話参照)
美形のソール&マーニが神々に拐かされた後、ムンディルファリさんはどうしてたんでしょうかね。
空を見上げれば二人の子供が駆け巡ってる訳だから、そんなに悲しくもなかったりするのかな。
オーディン『第3問:昼&夜を生み出した者は?』
ヴァフ『昼⇒デリング、夜⇒ネル』
オーディン『正解だ』
ソール&マーニの同僚っぽい神々。
面倒臭いのでグラフィックは設定しておりません(・ω・;)
オーディン『第4問:冬&春を生み出した者は?』
ヴァフ『冬⇒ヴィンドスヴァル、春⇒スヴァースズ』
オーディン『正解だ』
ヴィンドスヴァル&スヴァースズについては、本にあんまし書いてなかったんでワカリマセン!
オーディン『第5問:世界で一番最初に生まれた者は?』
ヴァフ『アウルゲルミル(※ユミルの別称)。その息子がスルードゲルミル、孫はベルゲルミル』
オーディン『正解だ』
霜の巨人ユミル。
オーディン『第6問:ユミル一族はどの様に発生した?』
ヴァフ『エリヴァーガルの波から毒液が滴り落ち、ユミルとなった』
オーディン『正解だ』
エリヴァーガルは11の支流を持つ水源地(川全体の総称?)です。
太古の昔、冥界ニブルヘイムの冷気+炎の国ムスペルヘイムの熱気が、ギンヌンガガップという大地の裂け目で衝突
↓
霜が溶けて毒の塊ができる
↓
毒が変質してユミル発生
…とゆー、誕生だそうな。
毒を起源に持つので巨人族は生まれつき獰猛なんですって。
この毒っつーのは、雪深い火山から噴出した有毒ガスの事かなって思います。
那須温泉の殺生石みたいな。
俺の予想ではユミルは硫黄臭い(ワキガ疑惑)
霜の巨人ユミルはオーディンにとっては母方の先祖でもあるよ。
アース神族も毒由来の狂暴性を宿しているのかはワカリマセン。
……オーディンを見るとだいぶ遺伝してる様に思えますけど(;’ヮ’)
オーディン『第7問:原初の巨人族はどうやって増えた?』
ヴァフ『ユミルの脇から一組の男女が生まれた。足から6つの頭を持つ息子が生まれた』
オーディン『正解だ』
脇から生まれるって、お釈迦様と同じだ(・∀・)
お釈迦様の生母・摩耶夫人は『6本の牙を持った象が体に入る夢』を見て懐妊したとゆーし、何かビミョーに似てない??
オーディン『第8問:ヴァフが生まれてから最初の記憶は?』
ヴァフ『まだ大地が創られていない頃、巨人ベルゲルミルが誕生した。儂の最初の記憶は、賢いベルゲルミルが木舟で漂流していた事じゃ』
オーディン『正解だ』
↓ベルゲルミルが舟で~っていうのは、これの事。
オーディン3兄弟がユミルを殺害し、血の大洪水が発生。ベルゲルミル夫妻は木舟で難を逃れました。
確かに機転が利いて頭良いすね(第18話参照)
この話からすると、舟には幼年期ヴァフも同乗してたのかな??
知識として知ってるだけ??
……。
俺は言いたい。
それ、ヴァフ氏のプライベートな思い出じゃねぇの?
これはクイズ合戦として成り立っているんだろうか。
オーディン『第9問:風はどこからやって来る?』
ヴァフ『世界の果てで怪鳥フレースヴェルグ(鷲)が羽ばたくと風になる』
オーディン『正解だ』
こないだ鳥特集やったけど、まだ鳥キャラがいた~(´Д`;)
鳥キャラって、みんな壮大でカッコイイ設定がついてるね。
神々も鳥に变化して活躍してるし。
昔の人は翼に憧れたんだろうな。
オーディン『第10問:アース神族では無いにもかかわらず多数の神殿を持つニヨルド。彼について述べよ』
ヴァフ『ニヨルドはヴァン神の生まれじゃ。ラグナロク時、彼はヴァナヘイムに帰るだろう』
オーディン『正解だ』
フレイ&フレイヤの父・海神ニヨルドさん(美脚)
現実世界でも、ニヨルドを祀った神殿やら祠やらが沢山あったんだそうな。
この答えからすると、ニヨルドは最終戦争に備えて疎開したという意味なんですかね?
彼は武勇を司ってないっぽいし。
ニヨルド帰還の件は、この一行以外に言及ないのよね。
そんな大事な話、サラッと終わらせるな!(`Д´;)
決戦を前にして、フレイと涙の別離とか、妹(前妻)と再会とか…もっとこう…あるでしょ!
オーディン『第11問:毎日、オーディンの城から戦に出る人間達について述べよ』
ヴァフ『毎日、英霊達は戦闘に繰り出し、互いに殺し合い、また蘇る。お楽しみ宴会タイムには帰宅する』
オーディン『正解だ』
ヴァルハラの英霊達(仮)(第32話参照)
今まで戦死者(エインヘリヤル)についてチョコチョコ書いてきたけど、いつか特集編を書こうと思います。
いつか…。
オーディン『第12問:お前の賢さは大した物だ。その知識をどうやって手に入れたのだ?』
ヴァフ『儂は9つの世界を旅し、冥界ニブルヘイムさえ訪れ、知識を研鑽したのじゃ』
オーディン『なるほどな』
これはクイズに分類して良いのか分からないけど、『12』ってナンバリングされてたから、一応Q&A形式にしといた!
オーディンはイグドラシルの幹に逆吊りになる修行で一旦、仮死状態となり、この世とあの世の知識を手に入れた(第4話参照)とか本に書いてありました。
また別の説話において、陸海空冥を駆けるスレイプニールに乗り、あの世で情報収集してます。
この設問からすると、ヴァフ氏はオーディン級のすげぇ修行を積んだ賢者とゆー事ですね。
そして…何でか分からんけど、次の問題からは会話文中にナンバリングがありません。
まぁ、クイズ形式には変わりないので、演出上の都合で勝手に番号を振っておきますね(・∀・;)
オーディン『第13問:大いなる冬が訪れ、命が滅びゆく時、人類で生き延びる者は誰か?』
ヴァフ『リーヴ&リーヴスラシル夫妻がホッドミーミル森に隠れている。彼らは朝露を舐めて生命を繋ぐ』
オーディン『正解だ』
大いなる冬(フィンブルヴェト)とは、神話末期に三度の冬が続けて(夏を挟まずに)到来する事です。
それぞれ『風の冬』『剣の冬』『狼の冬』と呼ぶんだって。何かカッコイイ響き。
この大いなる冬で人心は乱れ、兄弟同士で争い合い、世界はラグナロクに向かっていくのだそうな。
リーヴさんはROで俺が住んでるLif鯖の元ネタですね(^ω^)
Lifとは英語のLife、すなわち『生命』という意味。
大災害を生き延びた選ばれし人類っつー事で、旧約聖書のノアとの類似点を指摘する書籍もあったよ。
オーディン『第14問:太陽神ソールが狼に引き裂かれた後、太陽は如何にして穏やかな空へ戻って来るのか?』
ヴァフ『太陽神は死ぬ前に娘を産む。神々が滅んだ後、その娘は母と同じ軌道を駆けるだろう』
オーディン『正解だ』
えーと。
本では狼を『フェンリル』、太陽を『アールフレスル(妖精の光』と書いてあったんですが…。
俺は天狼スコール&ハティが天体神ソール&マーニを追いかけてるという設定が好きなので、↑こーゆー表現にしときました。
フェンリル、スコール&ハティは共に犬なんで、ここでの『フェンリル』は代名詞的な扱いかも知れません
トール回で花婿試験・設問(第17話)では、太陽の事を『巨人語:絶えぬ輝き』『小人語:ドヴァリンの喜び』と表現してるし、アールフレスルもそれ系の比喩表現(ケニング)なんでしょう。
太陽の娘は名前が書いてなかったんで、個人的にソールⅡ世と呼んでいます。
…つーか、ここで『神々が滅びる』って明言しちゃってますよね(´Д`;)
辛いなぁ、このクイズ合戦。
オーディン『第15問:海上を飛ぶであろう乙女達は何者なのか?』
ヴァフ『三人の乙女達が三度、メグスラシルの丘を飛び越えるだろう。彼女らは巨人族だが、人類の子供達を護るだろう』
オーディン『正解だ』
大変申し訳ないのですが、この設問については何の事やらサッパリ分かりません!!
乙女って誰やねん…。
海上って言ってるのに、なんで丘やねん…。
『メグスラシル』は巨人名で、乙女の尊属って解説もあった。
どっちみち誰やねん…。
とりあえず乙女ズは人類の味方キャラっぽいね。
運命の女神ノルンとか、戦乙女ヴァルキリーの一種なのかな~?と思いますが不明也。
分かったら差分アップデートします。ゴメンヌ。
オーディン『第16問:巨人スルトの炎が鎮まった時、世界を統べるのは誰か?』
ヴァフ『神々の国にはヴィダルとヴァーリが暮らすだろう。ヴィングニルの死後、モージとマグニがミョルニールを受け継ぐだろう』
オーディン『正解だ』
ラグナロク時、巨人スルトは軍神フレイを倒し、炎の魔剣で世界を焼くのだそうな。
そんでもって大洪水で鎮火された後、命からがら助かった神々の息子達が新たな世界を創るのです。
ヴィダルとヴァーリ(未登場)はオーディンの息子。
モージとマグニはトールの息子。
なお、ヴィングニルとは『投げつける者』の意で、雷神トールの別称です。
生き残り組の名前はRO内でもアイテムに起用されてます…ね…?
モージ君のネーミングアイテムだけねぇ!!
他3人はアビスパッチの時に装備品が爆誕したのに(´Д`;)
あれから10年以上、経ってるんですけど…。
グラヴィティ様、ガンホー様、頼む…ROサービス終了までにモージのアイテムを実装してくれ…。
それはともかく…ヴィダル&ヴァーリ、マグニ&モージは仲の良い兄弟同士だったんでしょうね。
オーディン『第17問:ラグナロクで最高神オーディンの戦死理由は?』
ヴァフ『オーディンはフェンリル狼に飲まれて死ぬのじゃ。そして息子ヴィダルがフェンリルの顎を引き裂いて、父の復讐を遂げるだろう』
オーディン『正解だ』
神話末期、フェンリルと一騎討ちとなり、オーディンは命を落とします。
この予言があったので、神話初期にフェンリルは捕縛、拘禁されました(第14話参照)
…この質問を投げ掛けた時のオーディンは、一体どんな気持ちだったのでしょうか。
神ならぬ我が身には知る由もございません。
こうして。
謎掛けを難無く解いていくヴァフスルーズニル。
フリッグが懸念した通り、彼は手強い男だったのです。
オーディン『古今東西の知識に通ずるという評判は確かだな』
ヴァフ『フッフッフッ、口程にも無いのう。貴様はこの館で朽ち果てる運命じゃww』
オーディン『……では、最終問題……』
オーディンは静かに問いかけました。
オーディン『最高神オーディンが、死せる息子の耳元で囁いた言葉とは?』
ヴァフ『なッ……!!?』
バルドゥルの葬儀で告げた言葉…それはオーディン本人しか知る由も無い秘密。
ヴァフ『うッ、うぐぐ……』
オーディン『どうしたね?早く答えを聴かせてくれないか』
ヴァフ『……かつて貴様が小倅に語った言葉じゃと?』
オーディン『……』
ヴァフ『そんな物、誰も知るはずがなかろう。世界で最も賢い貴様を除いてな』
あらゆる知識に精通した巨人も、とうとう敗北を認めるより他なかったのです。
最高神オーディンの前には膝を屈すると!
……。
俺は言いたい。
それ、オーディン様ん家のプライベートな思い出じゃねぇの?
んー、有名人のお葬式での弔辞とかTV放映されたりするしな。
ともあれ。
この仕合、見事オーディンの勝利!
つまり…。
オーディン『ならば遠慮無く…その首、貰い受ける!!』
ヴァフ『儂は…儂は……』
ヴァフ『儂は最高神オーディンに張り合ったんじゃああ!』
賢い巨人は、己が賭けた命というチップを支払ったのでした。
きっと彼の優れた知恵は、オーディンに吸収されたのだと思います…。
これは相当、経験値を稼いだな!
=========
えー…。
そんな訳で知恵比べという名の壮絶なネタバレ回でした。
予言し過ぎィ!
つー訳で。
【最大のネタバレ】バルドゥルは死ぬ
今更感あふれる。
ROにもバルドゥル暗殺事件にまつわるクエストとかあるね(・ω・)
プロ東宿前のビヨップさんに話しかけると…?
若くして世を去った王子に、オーディンは一体どんな言葉を紡いだのか??
ニヨルド帰国とか未来予知っぽい事、つまり通常は知り得ない事実を語っているのに、何でこの台詞だけはシークレット扱いなのか??
その投槍解釈は世界が翳りゆく頃に。
『昔、バルドゥルに語った言葉』と過去形で書いてあるから、素直に読むならコレは予言じゃなく、バルドゥル暗殺以後に決闘した感じです。
(※真面目な本には『北欧神話は時系列の不統一性がどうたら』って書いてあるので、一概に断定できないらしーぜ)
仮に暗殺後とすると…
フリッグ様は跡継ぎを喪った上に、夫が危険な決闘へ出陣した!とゆー事になります。
空の玉座を見つめ、彼女はどれほど不安な思いだったでしょう。
(その隙にヴィリ&ヴェーとよろしくやってたりするのかな…)
冒頭のフリッグの言葉。
心を鋭くとは『知恵比べすんなら、頭の回転を速くしろよ』って意味かと思うのですが、もしかしたら『我が子の死を切り札にする事も厭うな』との進言かも知れません。
激闘の決め手が愛息子の死にまつわる言葉かぁ。
神々とは、まこと過酷な運命を生きておられるのですね。
きっと、この勝利も滅亡への一里塚に過ぎないのでしょう。
めでたくもあり、めでたくもなし。
【おまけ】
また別な日の事。
オーディン『巨人国にまたしても頭の切れる奴がいるらしい!決闘したい!!(ジタバタ』
ゲレ『ワンワンキャン!(`Д´)』
フレキ『ワンキャンキャン!(`Д´)』
フリッグ『ハウス』
オーディンって、一撃必殺・バルドゥルに語った言葉はな~んだ?で、知恵比べ無双できるんじゃまいか?
ずるい。
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今回の原作『ヴァフスルーズニルの詩』は、フリーの原文サイトWikisource(英語版)にもプレーンな詩が載ってました!.゚ヽ゜・。+(・ω・)+。・゜ +.
【Wikisource】
『Poetic Edda/Vafþrúðnismál』
https://en.wikisource.org/wiki/Poetic_Edda/Vafþrúðnismál
日本語版は無いみたいなんで、Google翻訳とか使って下さい。
タダで読めるって素晴らしいなぁ。
今度、『オンラインで読める、ちゃんとした北欧神話』を紹介するページも作るね!
……また今度ね(いつとは言ってない)
そうそう。
原文の方には、命を賭ける下りで『椅子に座ってどうのこうの』って台詞があるんですけど、バトル感が薄れるので省略しました。
そんかわり…
↑バトル背景に椅子を置いといたぞ(得意げ)