投槍北欧神話・第12楽節『恋の罪と罰・1』の続き(‘◇’*)
今は昔。
最高神オーディンとフリッグしか使っちゃ駄目な千里眼の玉座フリズスキャルヴに無断で腰掛け、軍神フレイは巨人娘ゲルドへの禁断の恋に落ちてしまいました。
敵の娘・ゲルドを愛してしまったフレイはどうしたのでしょうか?
神の座を捨てて恋に生きた?
巨人国からゲルドを奪いに行った?
ゲルドをすっぱり諦めた?
いいえ。
ゲルドを愛するあまり…
父・ニヨルド『フレイ、仕事が溜まっているよ。いい加減にして出て来なさい』
妹・フレイヤ『お兄様~、私よ!フレイヤよ!お部屋の中に入れて~;;』
継母・スカジ『また食事に手を付けてないわ…(´・ω・`)』
軍神フレイはヒッキーになった!!
飲まず食わず眠らず働かず戦わず!
自分の部屋に篭り、家族も部下も面会謝絶で、ひたすらゲルドへの想いを募らせていました。
フレイ『ゲルドかわいいよゲルド…(‘A`;)』
お前は本当に神か。
ROではイマイチ影が薄いですが、フレイは最高神オーディンと肩を並べるエリート神です。
その彼が突然NEET化した事態を重く見て、ニヨルド家では緊急家族会議が開かれました。
スカジ『フレイ君、どうしちゃったのかしら(´・ω・`)』
フレイヤ『お兄様が妹の私にも会ってくれないなんて;;』
ニヨルド『ウーン。家族のボク達には話せないことかも知れないな』
ニヨルドは、フレイの腹心の部下であるスキールニルを呼びにやりました。
ニヨルド『幼い頃から共に育った付き人のお前なら、フレイも悩みを打ち明けるかも知れない』
スキールニル『かしこまりました。お任せ下さい、旦那様』
スキールニル『お坊ちゃまー、入りますよー』
フレイ『(;’A`)o彡゚ ゲルド…ゲルド…!』
スキールニル(うおっ、これは重症だ…)
フレイは自室の隅っこで憂鬱な体育座りをしていました。
お前はそれでも神か。
スキールニル『フレイ㌧、何があったん?』
フレイ『ボクのことは放っておいて…(‘A`)』
スキールニル『俺ら、身分は違うけどダチだろ?何で相談してくれないのさ』
フレイ『スキール㌧…(;ω;`)ウッ』
スキールニルは召使の人間ですが、フレイにとっては幼馴染のマブダチ( ・,_ゝ・)
その彼に問われて、ようやく本当のことを話しました。
オーディンの留守中に禁を犯して千里眼を使ったこと、巨人国を見たこと、そして巨人娘に一目惚れしたこと…。
フレイ『でさ、でさ!?ゲルドたん、超可愛くてね!d(・ω・´)シャキーン!』
スキールニル『あーあーうん。恋愛すると大体相手は世界一の美女に見えるもんだよ』
フレイ『ボクが世界で一番ゲルドたんを愛してる!!d(・ω・´)シャキシャキーン!』
スキールニル『あーうんうん。相手に夢中な時はみんなそう言うんだよ』
スキールニルは生返事をしてましたが、フレイのラブラブトークがあんまりにも長かったので、遂に核心を突いてしまいました。
スキールニル『じゃあゲルドたんをナンパしに行けば?』
フレイ『無理…巨人だし…敵だし…ていうか直接会ったことないし…(‘A`)』
スキールニル(あっ、ヒッキーに戻った!)
スキールニルは考えました。
スキールニル(フレイ㌧は普段真面目だから、初恋で舞い上がっちゃってるんだなー。お坊ちゃん育ちでナンパもできないし…。双子のフレイヤはスイーツ女なのになー)
恋の病なんか放置しとけば治る気もします。
しかしエリート神のフレイが長期間NEET状態では、世界の平和に関わります。
世界平和のため、自分を信頼してくれたニヨルド一家のため、何よりマブダチ・フレイのため、スキールニルは一肌脱ぐことに決めました。
スキールニル『よし、フレイ㌧。俺に任せとけ』
フレイ『(‘A`)?』
スキールニル『ゲルドたんがフレイ㌧の嫁になるように巨人国まで行って来るよ』
フレイ『まじでー!?(・ω・ )』
スキールニル『まじまじ。そん代わり、フレイ㌧の武器と馬をくれ』
フレイ『あげるあげる!(・ω・*)』
こうしてフレイは自分の武器と馬をスキールニルに授けました。
軍神にとって戦場で使う武器と馬は非常に大切な物です。
それをあげちゃう位だから、よっぽど思いつめてたんでしょーね。
次回、愛のキューピッド・スキールニルが巨人国へ走る!
彼はフレイとゲルドを縁結びできるのか?
第12楽節『恋の罪と罰・3』に続きます。