第12楽節『恋の罪と罰・3』

投槍北欧神話・第12楽節『恋の罪と罰・1』
投槍北欧神話・第12楽節『恋の罪と罰・2』
の続きです(・ω・)


今は昔。
親友である軍神フレイの恋を叶えるべく、スキールニルは巨人国まで旅に出ました。

スキールニル、巨人国へ向かう
スキールニル『さて、生きて帰れるか…それとも死んで巨人国の土になるか…』

スキールニルは神様ではなく人間です。
人間が敵の本拠地・巨人国に乗り込むのは命懸けの行為でした。
巨人国の国境地帯にはファイアーピラーがみっしりと敷き詰められていたそーです。
フツーに足を踏み入れたら即死コース。
しかし彼はフレイの闘気が宿った馬に乗っていたので、無傷でFPを通り抜けられました。
単に恋の橋渡しをする報酬だったんじゃなく、巨人国に行くためにどーしても必要な物だったんですね(・ω・)
巨人国に入ったスキールニルはその辺を歩いていた人に声をかけました。

スキールニル、通行人に話しかける
スキールニル『すいません、ギュミルさん家のゲルドお嬢さんに会う方法ってあります?』
通行人A『いやいや無理無理。絶対死ぬ。犬死にするから引き返せ』
スキールニル(普通、こういう登場人物はお役立ち情報を提供するもんじゃねーの!?)

神様サイドの人間が巨人宅へ訪ねて行ったら100%死ぬと思った通行人は止めました。
しかし命の危険はハナから折り込み済みだったスキールニルは、潔くギュミル邸へ正面から乗り込むことに決めます。
この時の彼の台詞をそのままお読み下さい。

スキールニル『外のことに鼻を突っ込もうという人間にとっては、恐れを知らないほうが、いくじなしよりはましなのさ。俺の生命の長さも、死ぬ日も、とうの昔に運命づけられたことだからな』
  『北欧神話物語』K・クロスリイ-ホランド 青土社(1983)より引用

格好良いぞスキールニル。
もうフレイじゃなくてお前が軍神でいいよ。
この台詞には古代北欧人の『命に関する運命観』が表れています。
北欧神話の最終点には『ラグナロク戦争で滅亡』という避けられない悲劇が設定されている等、略奪や征服の繰り返しだった当時の北欧人はシビアな価値観で生きていたんでしょーね。

ギュミル邸でゲルド発見
スキールニル『うおおお、ゲルド嬢はどこだああああああ!(ズドドドドド!』
ゲルド『何者!?Σ(‘□’;)』
スキールニル(これがゲルドたん…?フレイ㌧のイメージ図とだいぶ違う…)
ゲルド『貴方、何か失礼なこと考えてるでしょう!?』

ギュミルの館は殺気と凍てつく波動に満ち溢れていました。
さてはて、スキールニルはフレイの想いを伝えることができるのでしょうか?

ゲルド『炎の結界地帯を無傷で越えて来るなんて、貴方は神かエルフなのね?』
スキールニル『俺はただの人間さ。しかし我が主、軍神フレイの神通力で守られている』
ゲルド『フレイって、巨人軍に大打撃を与えてるあのフレイ!?Σ(‘□’;)』
スキールニル『うん。そのフレイの嫁になってくれ』
ゲルド『はぁ!!?ΣΣ(‘□’;)』

スキールニルはポケットから、結納品の『イドゥンの林檎』と『ドラウプニル』を取り出しました。

イドゥンの林檎
スキールニル『この林檎を食べれば永遠の若さを手に入れられる。だから嫁に…』
ゲルド『一生ピチピチでも敵将のフレイと結婚なんて無理!(‘□’;)』

ドラウプニル
スキールニル『このドラウプニルがあれば一生お金に困らない。だから嫁に…』
ゲルド『ウチ、大金持ちだし!(‘□’;)』

ゲルドは要求を頑として受け入れません。

スキールニル、フレイの剣でゲルドを脅す
ゲルド『何なのこの人!お父様、お父様!お庭に曲者がー!(‘□’#)』
スキールニル『待て!フレイの闘気を浴びた神剣で父親を斬り殺すぞ!』

愛のキューピッドは、フレイから貰った武器でゲルド嬢を脅し始めました。
単に恋の橋渡しをする報酬だったんじゃなく、求婚を断らせないためにどーしても必要な物だった…んですね…?
えっ?あれっ…?何か流れがおかしくね??
そして彼は、ゲルドがフレイと結婚したくなる様に恋の呪文を詠唱しました。

スキールニル『…エロイムエッサイムエロイムエッサイム…フレイの嫁にならないとゲルドは拒食症になる。仲間全員から友録を消去され耳打ちも拒否される。全MAPでBOTに粘着される。一生結婚できなくなって、すげーブサイクな巨人のヒモ男がつく。性格最悪な最高神オーディンからあらゆる嫌がらせを受ける。死後はニブルでゾンビの小便を大ジョッキで一気飲みする刑に処されて永遠に苦しむ…エロイムエッサイムエロイムエッサイム…』
ゲルド『エエエエェェェェ(‘□’;)ェェェェエエエエ』

この魔法の効果はバツグンで、ゲルドは泣き崩れてこう言いました。

泣いて求婚を受け入れるゲルド
ゲルド『わかりました、フレイの嫁になります!。・゚・(ノД`)・゚・。』
スキールニル『じゃあ、日取りは九夜後に、式場はバリの森で!』
ゲルド(な…なんで私が神なんかと結婚しなきゃならないの…)

ゲルドから結婚の約束を取り付けたスキールニルは、来た時と同じ様にFP地帯を通ってアースガルドに帰ってゆきました。
えーと…?
ツッコミは次回に回します…!
第12楽節『恋の罪と罰・4』へと続く(゚Д゚)

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