第34楽節 『美神フレイヤ』

フレイヤ『職業:ヴァン神族代表 担当:戦争・豊穣・美』
アースガルドのマドンナ的存在、女神フレイヤ様( ^ω^)

フレイヤは戦争・豊穣・美を司っていますが、書いてみたら結構長くなっちゃったので、今回は『美神フレイヤ』、次回は『戦神フレイヤ』の特性を解説します。
双子の兄ちゃんフレイ解説とダブってる部分もありますが、これは止むを得ないことであって、決して俺の手抜き工事ではないんですよ。ほんとですよ。


家族構成は

父親:海神ニヨルド、母親:ニヨルドの妹(名前不明)、双子の兄:軍神フレイ
夫:オーズ(正体はあの人)、娘:フノス、ゲルセミ

和平使者となったニヨ一家
神族戦争後、父ニヨルド&兄フレイが親善大使に選ばれた際、何だかんだでフレイヤもくっついて来ました。
(俺的解釈はフレイヤのワガママで…)

フレイヤは『女主人』『女王』という意味です。
双子の兄フレイは『主人』『王』。
フレイ&フレイヤの兄妹は、リアル古代北欧においてオーディン教とは別な宗教の最高神でした。
民族の吸収・融合でオーディン教の傘下に入ったんですね。

ブリーシンガメン
トレードマークは炎の首飾りブリーシンガメン。

小人達との援助交際にてゲットした逸品です。
寝る時も身に付けている模様(*’¬’)ムフフ

愛と美の女神だけあって、美貌は北欧神話随一。
整った顔立ち、輝く金髪、豊満な肉体…、魅力的な彼女は全世界の男から求愛されています。

ミョルニールと引き換えにフレイヤを要求する巨人
敵である巨人族からは、ミョルニールの交換として結婚を要求されたり、アースガルド城壁の建築費として結婚を要求されたり、ヴァルハラ飲み会で酔っ払いにセクハラされたり…。
眷属である人間族の男性からも当然モテモテですが、それは次回記事に紹介します。

成長したフレイ&フレイヤ
郷里のヴァナヘイムでは近親結婚OKだったので、当初の本命は双子の兄フレイでした。

俺は個人的な趣味で『異常に仲の良い双子だけどセクロスはしてないよ説』をゴリ押しですが、原典では肉体関係があります^q^
しかし両親自体が兄妹婚な上に、双子の兄妹で恋愛関係って、すっげー血が濃いですね。
アース神族に比べて、ヴァン神族は性に奔放であったそうな(*´Д`)
これはヴァン神族が『豊穣=繁殖』を司っている事と、神話のモデルとなった古代国家の民族性が基となっています。
今までにも何度か書いている様に、オーディン教の民族は他の宗教(フレイ&フレイヤ教やトール教)を吸収合併し、北欧の地で勢力を拡大しました。
他民族を吸収合併に最も有効かつ友好的な手段は、王族同士の政略結婚。
吸収された側のフレイ&フレイヤやトールが、現存の北欧神話でも格の高い神様として描かれている点から、王侯レベルで融和していたと考えられます。
(古代社会では『神=王』『神話=王家の正統性PRストーリー』という扱いなので)
つまり、身内同士でくっつく近親婚は、オーディン教にとって政略結婚の大事な駒をむざむざ潰す行為です。

オーディン
オーディン『近親婚だと!?非生産的な縁組なぞ禁止だ!!』

国力増強を考えれば、オーディン様の御意見にも合点がいきます。
しかし、俺的には『フレイヤに横恋慕したオーディンが、フレイとの結婚を阻止するべく、強行に近親婚を禁じた』という説をゴリ推ししたく存じます(第5話
オーディンがフレイヤに執着していたのは原典事実なんで。

そんなモテモテ女神のフレイヤ。
神話末期に、情報通ロキがリークしたところによると…

ロキ
ロキ『フレイヤはアースガルドの全男神とセクロスした!』

まじ…で…?(;´Д`)
暴露したロキ本人は思いっきりフレイヤから嫌われているし、トールとは微妙に仲が悪そうなんだけど、彼らとはお付き合いしたんですかね…??
女遊びをしてなさそーなバルドゥル王子・ヘイムダル・ヴィダルも…???
全男神と関係を結んだという証言には、いささか疑問が残ります。

ここでは『フレイヤにはカウント不能な位、愛人がいた事の喩え』という解釈に留めておきます。
ロキさんはアースガルドの神々から相当、嫌われていますが、その急先鋒はフレイヤ様に違いありません。

ブリーシンガメン事件
ブリーシンガメン事件では、ブサイク小人と援交して手に入れたジュエリーを一夜にして盗まれました。

犯行の際、ベッドルームに不法侵入されているのです…。
フレイヤ本人は気づいていませんが、ノミに変身したロキはおっぱいとか触り放題でした(※投槍解釈です)
うらやま……女性の敵ですよね!(`ω´)=3


城壁事件とミョルニール盗難事件ではロキの作戦で、あやうくブサイク巨人の嫁にされるところでした。

ミョル事件では堪忍袋の緒が切れ、ロキ&トールは武力威嚇される始末。


そしてイドゥン拉致事件は、林檎パワー切れにより若さを失ったフレイヤは肌がシワシワ・頭はハゲのお婆さんになってしまいました。
その上、原因を作ったロキに『ババア(`∀´)』呼ばわりされ、美神のプライドはズタズタに。

そりゃー、こんだけやらかしたら嫌われるよ。
それにしても、美の女神も寄る年波には勝てないのですね。
もしかして彼女が無理矢理アースガルドに来たのは、イドゥンの林檎がもたらす”アンチエイジング効果”が目当てだったりして。

さて。

フレイヤとオーズの結婚
前回、『夫オーズの正体は最高神オーディンだった!』という説を書きました。

原典にはオーズ⇔オーディンの変身譚なんか無いので、俺の脚色が入ってますけど。。。
この解釈の土台は、神話の歴史的な変遷が基になっております。
古い古い時代、オーズ&フレイヤは夫婦の神として信仰されていましたが、時代を経て

オーズ→オーディンとオーズ
フレイヤ→フリッグとフレイヤ

名前と人格が二つに分かれたそうな。
フリッグ様の元ネタ(?)はフレイヤ様だったんですね。
この神話ブログでは、フレイヤとフリッグを完全なる別人として扱っていますが、この二人は確かに共通点が多いです。

【フレイヤとフリッグの共通点】

  • 神話級の超美人
  • 最高位の女神
  • オーディンとセクシャルな関係にある
  • 愛、豊穣、出産などを司る太母
  • ファルコンローブを所有
    (※フリッグ蔵のファルコンローブはこれから登場するよ!)
  • 夫が旅に出て帰って来ない
    (※フリッグの夫オーディンは帰って来た)
  • 怒ると怖い

最後の項目については…、北欧神話の女性はほとんど当てはまるんですけどね(ノ∀`)
設定だけではなく、お話的にも両者の混同が見受けられます。
第11話【エピソード1】でフリッグが人間から戦勝祈願されたり(彼女が軍神フレイヤであった名残)、フレイヤは戦死者の魂をオーディンと分け合う(フレイヤが最高神の妻であった名残)……。
では本来、同一人物であった二人の決定的な違いとは何でしょうか。

第一に、フレイヤが戦神であること。

フリッグは情報操作で間接的にオーディンを拷問したことはあっても、直接的な暴力を働くシーンはありません。

第二に、フレイヤが独身女性(未亡人)であること。
オーズとの間に二児をもうけたとは言え、フリーな美女であるおかげで、前述の通り艶っぽい話題に事欠きません。
対するフリッグは『最高神の妻』『世継ぎの母』というお堅いイメージ。
俺が思うに、フレイヤというセックスシンボルは北欧神話に必要不可欠な要素でありながら、貞淑であるべき妃神には相応しくない設定だったため、役割を整頓する上で神格を分離したのではないでしょうか。

お色気担当で、神や人間の士気を鼓舞したり、時には巨人から人身御供の如く要求されるフレイヤ。
良妻賢母担当で、最高神をたしなめたり、世継ぎの窮地を救うべく奔走するフリッグ。
(※世継ぎの窮地はラグナロク戦争直前のエピソード)

『最高位女神=男性が求める理想の女性像』と考えるならば、フレイヤとアバンチュールを楽しみたいけど、家庭はがっちりフリッグに守ってて欲しい!…という身勝手な欲望の産物でしょうかね。
そーゆー男の夢は古今東西で普遍な気がします。

次回は『戦神フレイヤ』の特集です(*’ヮ’)ノ

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