★第15夜★ニヨルド家の一族・1

華麗なるニヨルド家に隠された大河ドラマ(捏造)


投槍北欧夜話『このホラ話はフィクションです。 実在の神話や神様とは関係ありません。 とってもファッキンな内容です。』

今は昔。
アースVSヴァン神族戦争が終わり、同盟の会談が持ち上がっていた頃。
仲直りの唾吐き式で賢者クヴァシルが誕生しました。
更に両国は相互不可侵の証として、幹部クラス神の交換を決めます。
ヴァナヘイムではニヨルド一家が選出されたのですが…。

ニヨルド邸@ヴァナヘイム
海神ニヨルドが自宅で仕事に勤しんでいた所…

ズドドド!!

スキールニル『旦那様ー、大変です!アースガルドのオーディン公から書状が届きました!』
ニヨルド『そんなに慌てて…何と書いてあったんだい?』
スキールニル『いえ、まだ封を切っておりませんが。。。』
ニヨルド『じゃあ、文が届いただけで大騒ぎしてるのかw 彼らはもう敵じゃないんだから、少しは落ち着きなさい^^;』
スキールニル『と、とにかく広間へ;;』
ニヨルド『ボクを呼びに来る位なら、書状を携えれば良いのに…』

当主ニヨルドは従者スキールニルにせっつかれて、屋敷の大広間へと渋々向かいました。
すると、そこには…。

 
 

ニヨルド邸@ヴァナヘイム
ニヨルド『Σ何コレー!?超巨大トイレットペーパー!!?』
スキールニル『書状fromオーディン公です。。。』
ニヨルド『こ、コレは…確かに大変だ…(ゴクリ』
スキールニル『でしょう…?』

説明しよう。
雄弁と詩吟の守護神オーディンは、話がスーパー長い。
彼が手紙をしたためたらトンでもない長さになるよね。きっと。
…神様界に製紙技術は無いだろうとか、世界最古のトイレットペーパーは5世紀の中国ら辺だろうとか、その辺は便宜上ふんわりファジーにボヤけた感じでお願いします。

ニヨルドは慌てふためきながら、書状を開きます。
しかし。

ニヨルド『な、長い…長過ぎる…読んでも読んでも、時候の挨拶が終わる気配すらない…。し、しかも単語が所々、分からないっ!”滑らかに横たわる者”って何??』
スキールニル『大至急、賢者クヴァシルを連れて来ます;;』

※滑らかに横たわる者…アース語で『海』

アースガルドとヴァナヘイムは言語が違うそうな(※第17話参照)
方言レベルの差かも知れないけど(・ω・)


投槍解釈だと…この時代、大賢者クヴァシルはヴァナヘイムに所属していました(※第38話参照)
アース神&ヴァン神の唾で誕生したんだから、どっちの言語にも精通してますよね。
クヴァ血を醸して作った『詩の蜜酒』は、飲むと詩才を得られたそうですから、クヴァシル本人も文章作成力・読解力に長けた賢者だったと思われます。
(他の知識もあったよーですけどね)

そうした次第で、困り果てた二人はクヴァシルに助力を求めたのです。

 

クヴァシル先生の!よく分かるアース語講座
クヴァシル『ラ行変格活用:あり、をり、侍り、いまそかり…であるからして、この語形は音節連続が…』
ニヨルド『うん…うん…ありがとう、クヴァシル。でも文法解説はスキップして、翻訳だけ頼むよ^^;』
クヴァシル『おっけーです』
スキールニル(コイツも話なげぇ!知神めんどくせぇ!)

 
~5時間後~
 

クヴァシル『第108章99節…”私の別名はイヤールク(顔を変える者)です”
ニヨルド『ハァハァ、かれこれ5時間めくってるのに、まだオーディン公の自己紹介パートだTT』
スキールニル『この方、一体どんだけ別名があるんすか。。。』
ニヨルド『しかも何で…』


オーディン『先日、私は人間界で人妻5人をGETしました。非常に美味しかったです』

ニヨルド『何で、ちょいちょいエッチな自慢話を挟んで来るの!?』
スキールニル『ヴァナヘイムに対抗して、豊穣パワーの誇示…ですかね??』

※オーディンは色々な所でナンパの撃破スコアを自慢しています。それも長いです。

ニヨルド『やばい。。。早く読み終えて返信しないと、外交問題になっちゃうよ~;;』
スキールニル『失礼を働いたら、休戦協定を破棄されかねないですしね;;』

再び神々の間で戦争が起こったら、今度こそ両国は共倒れになってしまうでしょう。
二人は焦りを隠せませんでした。

クヴァシル『あのーもしもし…』

賢い男クヴァシルはこう語ったのです。

クヴァシル『よろしければ私が光速で書状を読解(スキャン)し、要点を翻訳しましょうか?』
ニヨルド『うん…うん…ありがとう、クヴァシル。その言葉、できれば5時間前に聞きたかったよ^^;』
スキールニル(やっぱ知神めんどくせぇ!)

クヴァシルは書簡に向かって、不思議な呪文を唱え始めます…

スキャン
クヴァシル『リーディングスペルブック !!』

ピコピコピコピコ…ピーン!(所要時間3秒)

クヴァシル『読解&翻訳完了しました』
ニヨルド『Σはやっ!!』
スキールニル『今までの5時間は一体…』
ニヨルド『そ、それで用件は何と??』
クヴァシル『えーとですね…』

賢い男クヴァシルはオーディンの用件(圧縮版)を語ったのです。


オーディン『親愛なるニヨルド家の方々へ
霊験あらたかな皆様が我が国へ着任なされると伺い、喜びもひとしおでございます。
なお、ニヨルド氏は配偶者との離縁が受け入れの必須条件となりますので、御承知おき下さい。
それでは皆様とお会い出来る日をアース神一同、心よりお待ち申しております。
 アースガルド主神オーディンより
追伸:おやつは500円まで(バナナ除く』

クヴァシル『以上です』
ニヨルド『そ、それだけ?それをどう膨らませたら、超巨大トレペになるの??』
スキールニル『本っ当ですよねー!!』
ニヨルド『ボクに離縁しろってだけ書けば良いじゃないか!……ん、離縁……?』
スキールニル『人妻コマシ話なんか、旦那様の離縁に関連性ゼロですよ!……って、離縁……?』

はたと気づき、二人は顔を見合わせました。

ニヨルド『……』
スキールニル『……』

オーディンの真意を図りかね、沈黙の時が続きます。

クヴァシル『あのーもしもし…』

そして賢い男クヴァシルはこう語ったのです。

クヴァシル先生の!よく分かるアース文化講座
クヴァシル『アースガルドは近親婚禁止なんですよ~』

ニヨルド&スキールニル『ええええええ!!!?』

ニヨ家の苦難は『★第32夜★ニヨルド家の一族・2』に続く。

  1. せっかくなので、クヴァシル先生を、今人気の林修先生風味のキャラにしてみたら、どうでしょう?

  2. クヴァシル『いつ人質になるか?今でしょ!!』
    クヴァシル『いつ蜜酒になるか?今でしょ!!(絶命』
    クヴァシル『いつロキ逮捕するか?今でしょ!!』

    こういう感じでしょうか…(゚Д゚;)

    1. オーディンが上司だと査定が厳しそうですけど、大丈夫でしょうか?(´Д`;)

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