第1楽節『ブラギの詩・1』

ブラギの詩 !!
RagnarokOnline屈指の神スキル『ブラギの詩』

第1話は、RO吟遊詩人職バード・クラウン・ミンストレルが崇拝する詩神ブラギについて語ります。


アース・ヴァン戦争
今は昔。
巨大な世界樹イグドラシルに包まれた宇宙。
そこには軍神アース族の国アースガルドと、豊穣神ヴァン族の国ヴァナヘイムがありました。
二つの神族は長いこと戦争を続けておりましたが、双方互角で一向に勝負のつく気配がありません。
このままでは共倒れになってしまうと判断し、和議を結ぶこととなったのです。

神々の唾吐き。
神々は平和と友情を記念して、でかい壷の中に一人ずつ唾を吐きました。

……連れションっぽい(´Д`;)
と思いきや、大昔の北欧では仲直りの儀式として実際にやってたんだってよ。
昔は酒の醸造に唾液中のアミラーゼを利用してたらしーので、これも酒造の一環だそうな。
神々が真面目な顔して唾吐いてたのかと思うと、不思議な気持ちになります。
現代人の感覚からすると、神様全員分の唾を集めた壷なんてスゲー臭そうですね!
しかし、そこは流石に神様です。

壷には全神様のスピリチュアル★パゥワーが結集し、クヴァシルというセージ(賢者)が誕生しました。
賢者クヴァシル
クヴァシル『神の唾だから汚くないんですよ!!』

このクヴァシルは過去最高の超INT型セージ。
どんな悩みや疑問を相談しても、明晰な脳ミソでスパッ!と解決してくれます。
頼り甲斐のある彼は、世界中の民から大人気を博しました。

神A『今日、物知り博士のクヴァシルがうちの村に来るらしいぜ!』
妖精『mjsk!!!』
人間『クヴァシル祭だ━━━(゚∀゚)━━━!!』

どこへ行っても歓迎の嵐。
人気者のクヴァシルでしたが、善からぬ輩が彼の頭脳に目をつけました…。

フィアラルとガラール
DQN小人のフィアラル&ガラール兄弟です。

ある日、小人兄弟も自宅でクヴァシル祭を開催し、彼をもてなしました。
そうやって上手いこと油断させた後、『大事な相談があるんです><;』とクヴァシルを暗がりに連れ込み…

くばしる は しんでしまった!
何と不意討ちで撲殺したのです。

そしてピクリとも動かなくなったクヴァシルの胸へナイフを突き立てました。
死にたての遺体から、体中の血液が流れ出します。
DQNどもは、その鮮血をソン&ボドンという2つの壷、オードレリルという桶に採集!猟奇殺人や。
成人男性の体内を流れる血液量は約6リットル…つまり大きいペットボトル3本分ですから、容器のサイズ感が何となく分かりますね。

世界中から一挙手一投足を注目される大賢者が、急に消息を絶ったのです。
当然ながら、彼の所属元であるアースガルドの神々は不審に思いますよね。
クヴァシルを探すべく、神々がDQN小人の家を訪ねたところ…

くばしる捜索中
アース神『最後にクヴァ祭やったのお前らだけど、アイツがどこ行ったか知らねぇか?』
フィアラル&ガラール『クヴァシルは自分の脳ミソから溢れる知識で窒息して死んじゃいました(^ω^)(゚∀゚)』
アース神『そうだったのか~』

…納得すんな…(´Д`;)
そんな証言で騙されるアース神の探偵能力は、起きてる時の小五郎のおっちゃん並ではありませんかね…。

なお俺の投槍解釈だと、今回シリーズのどこかのタイミングで『アースガルドはクヴァシルの遺体を回収した』ハズなんですが、それは↑この時点では無いとも考えています。
流石に…遺体の鈍器損傷&刺傷を見たら、小人の犯行がバレバレだしね。

さて。
このDQN小人は一体、何の目的でクヴァシル殺害を謀ったのでしょうか?

詩の蜜酒
フィアラル『小人の3分クッキング(^ω^ )タララッタッタッタッター♪』
ガラール『今日の新鮮食材は産地直送!抜きたてほやほや!クヴァシルの血です(゚∀゚)』
フィアラル『クヴァシルの血にハチ蜜1個を混ぜます(^ω^ )』
ガラール『特製INT料理・詩の蜜酒できあがり(゚∀゚)』
フィアラル『早ッ!3分持たねぇ!(^ω^;)』
ガラール『毎月16日はテキスト発売日です(゚∀゚)』

と、こうした次第で、神々の唾…いや、叡智の結晶であるクヴァシルの血で、『飲むと誰でも高INTになれる』チート料理・詩の蜜酒をこしらえたのでした。
クヴァシルって、原材料・神の唾液100%だけど本当に良いのか?
それはともかく大昔の北欧では、水や酒が賢さの象徴だったんスね。
他の説話では…

・知識の泉ミーミスブルンの水を飲むと天才になれる(第27話
・巨人ヒュンドラ所蔵の『記憶の蜜酒』を飲むと超記憶が良くなる(第33話

…などなど。

フィアラル&ガラールは悪賢い小人ですから、元々がINT特化型だろーし、ノコノコやってきた賢者様を逃す手は無かったんでしょう。
色々な伝承を読むと、北欧神話では『知識とは物理的に吸収可能』って考えが根付いてるよーです。
この話はいずれ掘り下げようと思います。
まんまとクヴァシルの智恵を手にした小人兄弟。
その残虐ぶりは留まるところを知りません。
巨人のギリング夫妻が兄弟の家へ遊びに来た時、なんかイラッとしたので…

ギリング夫婦殺害
まずギリングを『ボート遊びしようよ(^ω^)(゚∀゚)』と誘い、遠海まで漕ぎだすと…彼を突き落として溺死させてしまったのです。
更に、夫の死を悲しむギリング嫁を『旦那さんのお参りに行こう(^ω^)(゚∀゚)』と海辺に連れ出し、後頭部を鈍器で強打し殺害。

フィアラル『むしゃくしゃしてやった(^ω^ )』
ガラール『反省はしてない(゚∀゚)』

これは荒ぶる北欧神話の中でも格別に凶悪な輩ですね。
しかし極悪非道な振る舞いを黙っちゃいないのが被害者夫妻の遺族。

スッツング登場
スッツング『父と母の仇ーーーーーー!!(゚Д゚#)』

ギリング夫妻の息子スッツングは父母の死を知るや否や、怒り狂って小人宅へ乗り込んで来ました。
騙まし討ち成功率100%のフィアラル&ガラール兄弟でしたが、正面切って挑戦されると弱い。
というか、小人2人VS巨人です。圧倒的サイズ格差があります。
更に言うと、小人は賢かったり、手先が器用だったりしますが、基本的に非力なキモオタ系種族。
爆裂状態の巨人に腕力で敵う訳ありません。

暗礁に置かれた小人兄弟
スッツングは小人兄弟をつまみ上げ、両親が無念の死を遂げた海に向かいました。
そして潮が満ちると海面が被る暗礁に、仇を置いたのです。

スッツング『ジワジワ死ねーーい!(゚Д゚#)』

海賊物とかでよく見る溺死刑すね。
こうなっては小人兄弟も必死に命乞いするしかありません。

フィアラル&ガラール『スイマセンっした!!秘蔵の詩の蜜酒を慰謝料として、お納め下せぇ!(^ω^;(゚∀゚;)』
スッツング『アホか!酒ごときで親の仇を許す訳ねーだろ!!(゚Д゚#)』
フィアラル『待って下せぇ。コレは普通の酒じゃないンす!(^ω^;)』
ガラール『賢者クヴァシルの血で造った、世界一の超INTドーピング酒!マジデ!(゚∀゚;)』
スッツング『じゃあ、ゆるす(゚Д゚)』

北欧神話の世界では身内を殺された場合、遺族は『犯人を仇討ちする』もしくは『高額の慰謝料をぶんどる』のが常識です。
この様にして詩の蜜酒こと賢者クヴァシルの血液は、巨人スッツングの手に渡ったのです。

神々の叡智の結晶、詩の蜜酒。
どーなる、その行方!?
次回、『ブラギの詩・2』に続きます。

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【神話の時系列】
海辺の脅迫は、この話単体で見るとゲストキャラ同士のどーでもいいシーンなんですが、神話全体を参照するに当たって、超~重要項目となります。
ポイントは満潮
未紹介の神話『ウトガルド遠征』において、巨人国で色々あった結果、『トールの怪力のせいで海に満ち干きが生まれました』とゆーエピソードがあります。
つまり満潮という概念が存在する『詩の蜜酒事件』は、『ウトガルド遠征』以後の物語と推測できるのです。
『ウトガルド遠征』について紹介する見込みは今のところ全くありませんので、詳しくは北欧神話の本を読んでね!
超~面白いよ(*’ヮ’)

  1. >ちーと神
    超お久しぶりでござる(^ω^)
    うっかり復活してしまったんじゃよ。

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