今回は小編です。
お題は第5話でミーミルとコンビを組んで死亡した賢神ミーミルについて。
本編に入る前にお詫びしたいことがあります…。
>ミーミルはオーディンが片目を捧げた『知識の泉』の守護者で、本人も大変賢い神。
>旅のお供にする位だからヘーニルはオーディンのお気に入りなんだろうし、
>INTマニア主神にとって賢神のミーミルは重要人物でしょう。
第5話で俺は↑こう書きましたが、改めて参考文献を読んだところ…ミーミル神=オーディンの母方の伯父だと判明しました。
つまり家系図でいうと↑こう!
『お気に入りの部下』どころか尊属です…(;´Д`)
いや、違うんだ…。
ベストラの兄がミーミルって名前なのは知ってたんだ。
ただ、知識の泉の番人であるミーミルとは同名の別人だと思っていたんだ。
北欧神話には同名の別人(※1)や、元々同一人物だったけど後世になって別人格に分かれた奴(※2)が多過ぎるんだよ…。
同名の別人は聖書の大ヤコブ・小ヤコブみたいに識別子を付けてくれよ!わかんねーよ!
※1:ロキ、ヴァーリ、ナルヴィ、フィヨルギュンは複数人が登場する。
※2:フリッグ、フレイヤ、フリーンは同一人物だった。
しかも『オーディンはアース神族で最年長』って、しつこく書いてあるから、最高神の尊属は故人になったんだと思うだろ!?
お、俺のせいじゃないー/(^o^)\
という訳ですみません、訂正させて下さい。
ミーミルはオーディンが片目を捧げた『知識の泉』の守護者で、最高神の母方の伯父。
旅のお供にする位だからヘーニルはオーディンのお気に入りなんだろうし、自身の尊属であるミーミルは重要人物でしょう。
まだまだお勉強中なので基礎知識もままならぬ有様ですが、間違いを発見したら即訂正しますので、どうぞ御容赦を。
それではミーミル伯父さんの捏造神話をどうぞ(*’ヮ’)n
今は昔。
それはオーディン兄弟が暖かい大地から巨人を駆逐した後のこと。
アース神族がヴァン神族と戦いを始める前のこと。
(第5話、第18話参照)
若き覇者オーディンは双つの眼で世界を見据えながら思いました。
オーディン『征服には”力”が必要だった。しかしこれから世を統べるには”知恵”こそが必要となるだろう』
オーディンは巨人族を全滅寸前にまで追い込んだので、パワー面では既に頂点を極めていたと言えます。
王となった彼は単純なパワー勝負の局面を過ぎ、知恵に基づいた自国の統括・敵国への戦略的な侵攻という第二段階にステップアップしたのです。
最高神の守護属性・戦争&知識は帝王学の体現ですが、どちらがより重要であったかと問われれば、俺は『知識こそオーディンの本質』と答えます。
説話に残る神vs巨人の衝突は常に奸智で上回った者――すなわち神――が勝利を納めています。
なにより世界征服後のオーディンは知識を探求する修行をしても、腕力を鍛える描写がほとんどありません。
まぁ、ここは現代に通ずる所ですね(・ω・)
腕力だったらトールみたいな若い奴を使えば良いもんね。
さてさて。
知識を欲する青年王オーディンは世界の第二層・巨人国へと向かいました。
巨人国は敵国ですが…冒頭の家系図に示した通り、オーディンの母方は巨人族ルーツ。
世界樹イグドラシルの根は三つに分かれ、第一層・二層・三層の大地へと伸びています。
その袂にはそれぞれ魔法の泉がありました。
第一層:ウルザブルン
第二層:ミーミスブルン
第三層:フベルゲルミル
フベルゲルミルはROでも古くからあるMAPですね(*’ヮ’)
今回、オーディンの目的地は第二層の泉ミーミスブルン。
和訳すると『ミーミルの泉』です。
母ベストラの兄、つまり最高神の伯父に当たるミーミルが魔法の泉を護っていました。
ミーミスブルンは、イグドラシルに包まれた宇宙の真理が流れ込む知識の泉。
毎日その涌水を黄金の角杯ギャラルホルンで飲んでいたため、ミーミル伯父さんは世界有数の賢者だったそうな。
しかも…
参考文献によると『古代北欧の男子は、母方の伯父(叔父)を後見人とした』そうで。
ミーミルは何とオーディン様の師匠・保護者ポジションだった模様(画像はイメージです)
す、すごい人だったんですね…。
部下の神だと思ってスイマセン!
この賢者ミーミルにオーディンは頼み込みました。
オーディン『伯父上、私には知識が必要です。どうか泉水を一口飲ませて下さい』
ミーミル『我が甥…愛弟子…オーディンよ……』
あー、第5話で『ミーミルは超小声の神』と推理し、台詞部分は極小&グレーフォントで表現しましたが、読みづらいっつーか編集が面倒くさいから通常フォントでお送りします。
小声に脳内変換よろしく(*’ヮ’)
ミーミル『私は…お前に教えたはず…ボソボソ…何かを得る時には……必ず”犠牲”を伴う…ものだと…』
オーディン『して、この場合の犠牲とは?』
ミーミル『イグドラシルの…宇宙の真理に…触れるのだ…。小さな犠牲では…済まされぬ……己の片目を…』
オーディン『片目ですね!ほあたぁ!(ブシュゥ!』
ミーミル『Σちょ…おま……』
最高神は何の躊躇いもなく、自身の片目を突きました。
ミーミル(えっ…えっ……!?「片目を犠牲にする位の覚悟が必要」って続けるつもりだったのに…!?)
オーディン『この眼を泉に捧げます。泉水を飲んで構いませんね?』
ミーミル『ぁ……う、うん……』
オーディン『ごくごく。そぉい!(ポチャン!』←眼球を泉に投じた
ミーミル(Σちょ…おま……飲み水に生ゴミ投げ込むな…腐れるだろう……)
こんなことは神話に書いてないけど俺は思うんです。
北欧神話で何かを要求されたら『とりあえず無理難題をふっかける』のが定石。
更にミーミル伯父さんは『自分の考えを他人にちゃんと伝える能力』が欠如した神(※推定)
まともなコミュニケーション力があったらそもそも親善大使としてヴァナヘイムに送られる時、スピーチ役にヘーニルを付けられていません。
【投槍神話説】
ミーミル伯父さんのコミュ力不足で、オーディンは無駄に片目を失った。
『知識の代償に隻眼となった』っつー、北欧神話中でも有数の格好良い設定なんですが…。
俺の脳内で、ミーミルさんは賢さと反比例して、間抜けな印象が勝手に植わっています(*’ヮ’)
ともあれオーディンは知識の泉から叡智を授かり、9つのルーン魔力を手に入れました。
その後も肉体を犠牲に知識ゲットの修行を続け(第4話参照)、研ぎ澄まされた知性でアースガルドを繁栄に導いていったのです。
そして…。
少し時を下り、もう一人のアース神が知識を得るべくミーミスブルンに訪れます。
それは虹の橋ビフレストの門番・ヘイムダルです。
お、お前…24時間365日不眠不休の国境警備って設定は…?
きっと警備員になる前の話ですね(;´∀`)
ヘイムダル『ミーミル様。知神の端くれたる私に、どうか泉水を一口飲ませて下さい』
ミーミル『若き神…ヘイムダルよ……』
彼は国境で外敵を討つ軍神であると同時に、司法神の性質も併せ持っています。
ミッドガルドの人間達に身分制度を授けたのは何を隠そうヘイムダル(*’ヮ’)n
知識系の神様としては、やっぱミーミスブルンの水は是が非でも飲みたい代物だったんでしょう。
ミーミル『しかと聞け…ボソボソ…オーディンと…同じ代償では…まからぬ…』
ヘイムダル『オーディン様は片目を捧げられたと伺いました』
ミーミル『うむ…。宇宙の叡智……それほど…覚悟が必要なのだ…(よし…言い切った…!』
ヘイムダル『分かりました!ほあたぁ!(ブシュゥ!』
ミーミル『Σちょ…おま……』
ヘイムダルは何の躊躇いもなく、自身の片耳を突きました。
彼は千里眼と地獄耳を備えた神。
500km先にいる羊の毛が伸びる音すら捉える聴覚の半分を差し出したのです。
ミーミル(えっ…えっ……!?「物の例え」だったのに…!?)
ヘイムダル『この耳を泉に捧げます。泉水を飲んで構いませんね?』
ミーミル『ぁ……う、うん……』
ヘイムダル『ごくごく。そぉい!(ポチャン!』←片耳を泉に投じた
ミーミル(Σちょ…おま……だから…飲み水に投棄するな…水質が……)
泉水を飲んだヘイムダルがオーディンと同じルーン魔力を体得したか謎ですが、神様会議では積極的に意見を出している知性派な面を見ることができます。
『神器と花嫁』編で発案した巨人国潜入法は突拍子もない様でいて、実に理に適った作戦でした。
ミーミル『はぁ…最近の若者は…ボソボソ…(‘A`)』
……。
俺はとても気になることがあります。
オーディンの眼球&ヘイムダルの耳が沈んだ後も、ミーミル伯父さんは泉水を毎日飲み続けたらしいという事実。
オッエェェェエエエエエエエエエエーーーー(;´Д`)
ミーミル『知識を得るには…代償が必要…(;´-ω-`)』
流石、オーディン様の師匠だけあります。
あっ。
ヘイムダルもオーディンの眼球エキスが染み出した泉水を飲ん…。
オッエェェェエエエエエエエエエエーーーー(;´Д`)
えーと。
オーディン&ヘイムダルが肉体を犠牲にしてまで欲しがった知識の聖水を管理していたのですから、ミーミルとは相当偉大な賢者だったんですね。
しかし、その大賢者様は…
第5話に書いた通り、赴任先のヴァナヘイムで斬首されてしまいます。
彼は知識型に特化した神で武勇の力は無かったと思われます。
(コンビを組んでいた軍神のヘーニルは殺されずに済んでいる)
切った張ったの世界で、コミュ力&腕力に乏しい彼は淘汰されちゃったんですね。
第1話では同じく知恵者クヴァシルが殺害されています。
北欧神話において『知恵無き力が無力であるのと同時に、力無き知恵もまた無力』!
これが真髄。
伯父さん、死んじゃったけど甥っ子オーディンの魔術で喋る生首として復活。
完全体で生き返らせろよ!伯父さんが可哀想だろ!
オーディンは困り事があると生首ミーミルに相談し、何とラグナロク開戦時にも意見を仰いでいます。
処刑されたのは神話初期時代でラグナロクは世界の終末だから、神様的時間の流れから考えると数百~数千年も生首状態だったのか…?
成仏させてやれよ!伯父さんが可哀想だろ!
『喋る生首ミーミル』については、また別の機会に考察しようと思います。
確か、ヘイムダル(リーグ)は大きくなったヤルルにルーンを教え、自分の名前(リーグ)を与えたという話をどっかで聞きました。
つまり、最初に人間にルーンを授けたのはヘイムダルだったと。
通りすがり様
コメントありがとうございます(・ω・)
『リーグの詩』ですね~。
貴重なヘイムダル主人公の話だから、そのうち書く…かも…??