第17楽節『トールの問答・1』

トール家の面々
トール家の面々

アースガルドの平和を守るため、日夜巨人と戦う雷神トール。
長期出張で留守がちな神様ですが、家族をとっても大事にしているのは第15話でも語った通り(・ω・)
自慢の嫁シフとの間に生まれた子は息子モージ、娘スルーズ。
ウルキャップでお馴染みの神様ウルは、シフの連れ子。
シフは再婚だったんですね(‘◇’*)
シフの前夫に関しては不明…。

第15話登場の怪力坊やマグニ君は第二夫人ヤルンヤクサとの間に生まれた子なので、今回は外しておきました。
今回のお話は巨人キラーではなく『家族を守る良きパパ・トール』としての戦い。


今は昔。
ある夜明け前のこと。
巨人国での遠征を終えた雷神トールは鼻唄混じりで帰路を急いでいました。

山羊タングリスニ&タングニョーストに牽かせた山羊戦車
トール『ふー、やっとマイホームに帰れるぜー♪嫁や子供達は元気にしてるかなー(ウキウキ』
シアルビィ『トール様、日の出前ですから徐行運転でお願いします|Д゚)』

気候を司る雷神トールが山羊戦車をカッ飛ばすと、雷を含んだ暴風雨が人間界で吹き荒れるのだ(・ω・)
しかし久々の帰宅でウッキウッキなトールが天変地異なんかお構いなしで自宅ビルスキールニル城に乗り付けたところ…


庭に怪しい、そしてとても小さな人影を発見しました。
不審者はウロウロと歩き回り、城内の様子を窺っています。

トール(ムムッ、さては俺の美嫁シフのストーカーだな!)
こう思った彼はツカツカと不法侵入者に歩み寄って言いました。
トール『おい、てめーはどこの誰だ!そこで何してやがる!?』
不審者『何だい失敬な。オイラは黒妖精アルヴィース。花嫁スルーズを迎えに来た新郎さ!』
トール『な、なんだってーーーー!?』

冒頭でも紹介しましたが、スルーズとはトールの愛娘のことです。
娘が結婚するなんて寝耳に水だったトールは、天地がひっくり返ったかの如く驚きました。

トール(結婚!?そんな大事なことを俺に相談しないなんて…スルーズはパパのこと嫌いだったのか!?)

しかも初めて会う自称新郎のアルヴィースは『黒妖精』だったのでショックは倍増でした。
ここでちょびっと解説(・ω・)

各種族の美醜評価
北欧神話における美醜価値観(投槍テイスト)

フレイが統括している普通の『妖精』は美しい容姿で神々と暮らしを共にしている好ましい存在ですが、この『黒妖精』は妖精と言うより『小人』に近い種族です。
現代ファンタジー作品に登場するダークエルフみたいな格好良い生き物ではありません(゚Д゚)
第8話第14話に書いた通り、小人は手先が器用で金持ち…だけど暗くて寒くて湿気ジメジメの洞窟に住んでブサイクでボソボソした声で喋る得体の知れない存在として嫌われています。
神話の小人・黒妖精=現代日本におけるキモオタ扱い。
このアルヴィースも例に漏れず、顔色悪くてガリガリのキモメンでした。

トール(スルーズがこんなキモオタと婚約…ま、まさかデキ婚じゃ…Nooooooooo!!)

年頃の娘を持つ父としては絶対に認めたくないタイプの新郎だった訳っす。

怒るトール
トール『…許さねぇ。この結婚には断固反対するぞ!』
アルヴィース『はぁ~?アンタ、何の権限があってそんなこと言ってるのさ』
トール『俺はスルーズの父親トールだ!』
アルヴィース『ふーん、アンタが脳筋の雷神トールか。んじゃ、”お義父さん”って呼ぶね』
トール『呼ぶな!キモイ!反対だっつってんだろーが!』

話せば話す程、アルヴィースが性格も悪いと分かってきたので、トールは一層苛立ちました。

トール『お父さんは反対~~~!!』
アルヴィース『うっさいなぁ、こっちはちゃんと神々と契約書作ってんだから、婚約不履行で訴えるよ?』
トール『神々と契約…?』
アルヴィース『ほれ。これ見な』

アルヴィースから一枚の紙切れを手渡されたトールは盛大に噴きました。
そこには、こんな内容が記されていたのです。

武器売買及び結婚契約書
武器一式の代金として、黒妖精アルヴィースがスルーズと結婚することを認める。 byアース神軍”
トール『なんじゃこりゃあああああああ!?武器の代金だとおおおおおおお!?』
アルヴィース『オイラはとっくの昔に武器を納品したんだから、約束通りスルーズは貰って行くよん』

何と言うことでしょう…。
身内の神が黒妖精の鍛冶屋から武器を購入するため、トールの頭越しに結婚の約束を交わしたと判明したのです。
この犯人が誰なのか、神話に記載はありません。ありませんが…!
庶民からの信仰が篤く、巨人征伐で実績を重ねているトールはアースガルドでもトップクラスの実力者。
その彼の娘を無断で武器代金にする契約を結べた神っていうと……

オーディン
トールの父親である最高神オーディン以外に有り得ないですよね!?
アース神軍の総大将の戦神だし、『武器を購入』という点でも怪しい。
俺の脳内では完全に『スルーズの身売り契約した神=オーディン』でFAです。

トール(親父の仕業かぁあああああああ!!)
アルヴィース『お義父さん、早く結婚式させてよ』
トール『うわああああん、お義父さんって呼ぶなーー!』

スルーズ嬢はキモオタ黒妖精アルヴィースの元へと嫁いでしまうのか…?
『トールの問答・2』に続きます。

  1. これはひどいw
    最高神とは言えなんと横暴な(`ω´;)
    でもオーディンならあり得る…スルーズちゃん逃げてー

  2. >りっくん
    原作では『脳筋』とは言ってない…けど、全体的に態度が悪いので、この一単語に凝縮しました。
    >あげは
    「犯人=オーディン」は俺の仮説ですからね(゚Д゚)
    …トールさんは身内の神からも恐れられてる雷親父なので、怒ると分かっててスルーズを差し出せるのってオーディンだけだと思うの。
    全二回の予定ですが、続きは諸事情でちょっと先になるかも知れません。スイマセン。

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