第25楽節『神器と花嫁・6』

ミョル
投槍北欧神話・第25楽節『神器と花嫁・1』
投槍北欧神話・第25楽節『神器と花嫁・2』
投槍北欧神話・第25楽節『神器と花嫁・3』
投槍北欧神話・第25楽節『神器と花嫁・4』
投槍北欧神話・第25楽節『神器と花嫁・5』

神器ミョルニールを巡る珍妙神話の続き!


巨人国へ向かうロキ&トール
今は昔。
巨人スリュムから神器ミョルニールを奪還するため、神々はいつもの様に卑怯な裏技を使うことにしました。
トールは花嫁フレイヤに、ロキはフレイヤの侍女に変装し、スリュム邸へ潜入しようと考えたのです。
しかしロキの完璧な性転換に対し、トールの女装は『どこが美の女神なんだよ!』とツッコミを入れられる酷い出来栄え。
替え玉と知られる前にミョルニールを手にできるでしょうか?

スリュム邸にて
神様の珍作戦など露ほどにも知らないスリュムの館では、豪勢な結婚披露宴の仕度が行われていました。

スリュム『ココの飾り付けが地味だぞ!もっとワシのダンディーなリッチさをアピールしろ!』
召使A『はいっ、ただいま!(;´Д`)』
スリュム『ふふふ、ワシは誰もが羨む大金持ち。黒毛牛の牧場を経営してるし、金銀財宝もある…これで美人の嫁が来たら、ワシはパーフェクトボーイになれる…!』

スリュムは、ふんぞり返って悦に浸った独り言を呟いています。
彼的には顔がブサイクな点はどうでも良いらしい。
婚約期間である九日の間、召使達は忙しく働き回りました。
そして婚礼の用意がすっかり整った巨人の館に、待望の花嫁が到着したのです…。

トール&ロキ、スリュムの館に到着する
ロキ『フレイヤ様のおなーりー(*’ヮ’)ノ』
トール『……』
スリュム『ワシの嫁キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!』

喜びを隠せないスリュムによって、二人の神は披露宴の上座へと案内されました。
テーブル上には山の幸、海の幸をふんだんに使った御馳走が所狭しと並べられています。

ロキ(うはぁ~、旨そ~~!(*’¬’)…クソー、任務じゃなきゃ全部食うのに…)

美味しそうな料理にヨダレを垂らしているロキが、トールの方を見ると…!

トール『ばくばくむしゃむしゃぱくぱくもりもりがつがつもぐもぐばりばりぼりぼりぐびぐびごっくん!!』
ロキ『トー、…フレイヤ様!?Σ(゚∀゚;)』

ニセフレイヤはヴェールの下から問答無用で料理を口に運んでいるではありませんか。
ロキが制止する間も無く、皿という皿、杯という杯がきれいに空っぽとなってしまいました。


原典に記された、その量は実にビール大ジョッキ3杯、牛1頭、鮭8尾、女性客用スイーツ類全部
食い…過ぎやろ…!?
雷神トールもロキと同じく大食漢で有名な神様です(・ω・)

原典では『トールは大変おなかが空いていた』とあるので、トール本来の食い意地に加え、花嫁修業で無理な断食ダイエットをしたせいだと俺は想像しています(*’ヮ’)

トール『げぷー』
ロキ(何やってんだよ、馬鹿ーーー!!そんな意地汚ぇ美の女神がいるかあああああああ!!!)

花嫁の底無し胃袋には新郎スリュムもびっくりです。

スリュム『ふ、フレイヤたんがこんな大酒呑みで大飯食らいだったなんて…(((( ;゚Д゚)))カクカクフルフル』
ロキ(いきなりヤベェ!!(;’ヮ’))

さっそく正体がバレる危険到来!
ここでエスコート役が力を発揮しました。

誤魔化すロキ
ロキ『フレイヤ様は婚礼が待ち遠しくて、九日間ずっと御食事が喉を通らなかったんですぅ><』
スリュム『お、おおう、そうであったか…!』
ロキ『こんなにゴージャスなディナーが食べられるなんて、スリュム様ってお金持ちっ!素敵っ!><』
スリュム『ガハハwwwwそうじゃろう、そうじゃろう!wwwww』

ロキの巧みな話術でアホの巨人は上手いこと丸め込まれたのです。
しかし…

スリュム『そんなに待ち遠しかったんなら、フライング誓いのチュ~しちゃおーっと!ゲヘヘヘヘ』
ロキ『エッー!?(;’ヮ’)』

気を良くしたスリュムはキスを迫って、花嫁のヴェールに手をかけました。
トールの演技力の無さはロキの弁舌で補えても、素顔を見られたら一巻の終わり。

ペラッ! (ヴェールがめくれた音)

スーパー後ずさりするスリュム
スリュム『うわあああああああああああああああああああああああ!!』
ロキ(ば、バレたーーー!\(^o^)/)

スリュムは驚きのあまり、館の端の壁まで後ずさりしました。
アメリカン・カートゥン並のオーバーリアクションだ。

スリュム『ふ、フレイヤたんの目が炎の様に真っ赤に充血してるーーーーー!!(((( ;゚Д゚)))カクカクフルフル』
ロキ(!?(゚Д゚))

何という幸運でしょう。
ヴェールをめくられたにも関わらず、トールは怒りに燃える『瞳』しか見られていなかったのです!
確かにチューしようと顔を近づけたら、視界に入るのは相手の顔全体じゃなく目の部分が主になりますね。

誤魔化すロキ
ロキ『フレイヤ様は婚礼が待ち遠しくて、九日間ずっと一睡もならさず目が充血しちゃったんですぅ><』
スリュム『お、おおう、そうであったか…!』
ロキ『でもスリュム様の愛で今夜も、ね・む・れ・な・い・か・も!><』
スリュム『ガハハwwwwそうじゃろう、そうじゃろう!wwwww』
ロキ(はぁ…はぁ…、トールも馬鹿だがスリュムが輪をかけた馬鹿で助かったぜ…(‘A`))

危うい場面に見舞われる度、ロキは得意の屁理屈で巨人を煙に巻いたのでした。
和やかに婚礼の宴が続いてゆきます。
果たしてトールとロキはミョルニールを奪い返すチャンスを見つけることができるのでしょうか?
次回、『神器と花嫁』シリーズ最終話(*’ヮ’)

  1. なるべく二週間に一回は更新できるように頑張るよ(*’ヮ’)

  2. こんなとこでおわるなああああああヽ(`Д´)ノ
    短いぞう!

  3. ウッ…Σ( ̄д ̄;)
    ほんとは今回で最後まで書く予定だったんだけど、期間が開きすぎたから『エーイ、二分割して更新数を稼いじゃえヽ(*’ヮ’)ノ』ってなったんだ。
    やっぱりバレバレだったか。

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