第30楽節『悪戯の代償・3』

マッチポンプ男ロキ
投槍北欧神話・第30楽節『悪戯の代償・1』
投槍北欧神話・第30楽節『悪戯の代償・2』
ロキのトリックスターぶり、いよいよ本領発揮だよ\(^o^)/


貢物完成
今は昔。
悪戯神ロキに頭を丸刈りにされた嫁の姿を見て、愛妻家の雷神トールは大激怒しました。
しかしロキは『すぐ元に戻す』と命乞いし、詐欺スレスレの話術で小人の鍛冶屋・イーヴァルディJr.兄弟を丸め込みます。
結果、見事なウィッグを無料で製造させることに成功。
そのまま真っ直ぐアースガルドへ帰還すると思いきや…?

ほくそえむロキ
シフのウィッグ、槍、船の模型。
3つの財宝を労せず手に入れたロキは、すこぶる上機嫌でした。

ロキ『こんなハイスペックなアイテムを無料で創るなんて、小人って本当アホwww>m<』

シフに悪戯を仕掛け、トールの慌てふためく様を楽しみ、その代償アイテムは懐を傷めずにGET。
その上オマケの宝物まで付いてきたのですから、彼としては面白くて仕方なかったでしょう。

ロキ『こんなに上手いこと行くんなら、もういっちょヤッてみっか☆ミ』

よせば良いのに、更なる欲が頭をもたげてきたのです。
ロキはアースガルドへの道を目指すのではなく、小人国のもっと奥深い区域へ向かって歩いてゆきました。

エイトリ&ブロックの家
そして辿りついたのは小人エイトリ&ブロック兄弟の家。
この兄弟も御多分に洩れず、鍛冶屋を営んでいます。

ロキ『ちわーっす(^ω^)ノ』
エイトリ&ブロック『まいど、らっしゃいー…って、アレは!!Σ(`ω´(`ω´;)』

イーヴァルディの製造品
エイトリ&ブロック(ワテらの商売敵、イーヴァルディ家の紋章やんけ…!!)

小人の兄弟はロキの担いでいたアイテムを見て、すぐに製作者が同業の小人だと察しました。
しかしロキは彼らの視線には知らんふりです。

ロキ『ウィンドウショッピングしに来たぜ!荷物ここに置かせてねっ(*’ヮ’)ドッコラショ』
エイトリ『……』

あえて目立つ場所に3つの宝を置くと、自分はさっさと鍛冶製品コーナーに行ってしまいました。 
小人達はロキの持ち込んだアイテムをジロジロ見ては値踏みします。

エイトリ『このカツラは純金と純銀を紡いだモンやな(`ω´;)』
ブロック『材料費100Mはかかるのと違うか?(;`ω´)』
エイトリ『こっちの槍と船も、ものごっつい魔法がかかっとるやん』
ブロック『くぅ~~、イーヴァルディめ、ええ仕事しおるわ~~』

イーヴァルディJr達が仕事一徹な鍛冶屋さんだった様に、この兄弟も負けてはいません。
職人気質を丸出しにして、闘志を燃やします。
当然、ロキはその様子をこっそり窺っていました。

ロキ(クックックッ、計画通り…!)

そして、わざとらし~く語り始めたのです。

ロキの話術が始まる…
ロキ『いやー、やっぱ世界一のBSはイーヴァルディ・ファミリーだよねー♪』
エイトリ『ムカッ!何ぼロキはんが神様でも聞き捨てならんわ!(`ω´#)』
ブロック『ワテらこそが世界一のBSや!!(`ω´#)』
ロキ『え~?でもイーヴァルディJr.の製造アイテムを見てよ。君達にコレと同Lvの創れるのかな~?』
ブロック『そらぁ無理な話や』
ロキ『だよねー☆』
エイトリ『勘違いせんで欲しいんやけど!』
エイトリ&ブロック『そんなショボイのと同Lvのアイテムなんか創れへんって言うとるんや!』
ロキ『口先だけなら、どうとでも言えるじゃーん( ゚ 3゚)』
エイトリ&ブロック『そんなら実際に、ごっついアイテム作ったるわ!!(`ω´#(`ω´#)』
ロキ(キタキタキタ━━━━ヽ(゚∀゚)ノ━━━━!!!)

何ということでしょう。
ロキの舌先三寸に翻弄され、この小人の兄弟までも自らアイテム製造を申し出たではありませんか。
前回登場したイーヴァルディJr.兄弟は腕前を誉めそやして製造させ、今回のエイトリ&ブロック兄弟は馬鹿にして製造させ…。
この差はきっと「イーヴァルディ=おっとり天然型」、「エイトリ&ブロック=激情型」という性格を分析した上で、ロキは作戦を変えたのだと思います。
相手の心理を読む力はズバ抜けて高い神と言えるでしょう。
そして、その能力を絶対に善行へ活かさないのが彼の持ち味ですね。

ロキ『でも~、どっちのアイテムが高Lvなのか、分かりやすく決めなきゃダメだよね~?だ・か・ら…☆』

狡猾な神は心の中で舌なめずりしつつ、畳み掛ける様に言ってのけました。

ロキ『名声ブラックスミス世界王者決定戦!』
ロキ『名声ブラックスミス世界王者決定戦を開催しようぜ!!』
エイトリ&ブロック『名声ブラックスミス世界王者決定戦!?Σ(`ω´(`ω´;)』

トンデモな企画を持ち出したのです…。

ロキ『俺がアイテムを品評しても不公平だろ?大会を開いて、アース神の重鎮にジャッジして貰うのさ♪』
エイトリ『おう、キッチリ白黒けじめ付けようやないか』
ブロック『んで。ワテらが勝ったら、どないしてくれるんや!?』
ロキ『賞品に俺の頭をやる!』
エイトリ&ブロック『その言葉、しかと聞いたで!ムッカー!(`ω´#(`ω´#)』
ロキ『まぁ絶対に君達のがショボイけどね☆ミ』

『頭を賭ける』とは、もちろん命を差し出すの意。
ロキはとことんまで小人の闘争心を煽って、アイテム製造のやる気を奮い立たせたのです。
しかしロキ本人が品評せずとも、アース神は彼の身内…。
今までに御紹介した神話の流れからして、いかにも八百長の予感がします。
頭に血が上った小人達はそこに気づいていないのでしょうか?
はたまた絶対の勝利を確信しているのでしょうか?

さーて。
エイトリ&ブロック兄弟は一体どんなアイテムを創り出すのでしょうか。
次回、投槍北欧神話・第30楽節『悪戯の代償・4』では製造の模様をお伝えします(*’ヮ’)

その頃のトール邸の様子
シフ『しくしくしくしく…。・゚・(ノД`)・゚・。』
トール『叔父貴はまだかあああああ!くそおおおおおお!!』

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