第1楽節『ブラギの詩・3』

血の海
詩の蜜酒を巡る物語の続き。
オーディン様の鮮やかな活躍が見られる!…かも知んない(・ω・)


投槍北欧神話・第1楽節『ブラギの詩・1』
投槍北欧神話・第1楽節『ブラギの詩・2』

今は昔。
何だか色々あって賢者クヴァシルの血液から詩の蜜酒が作られました。
巨人の手中に落ちた蜜酒を奪取すべく、最高神オーディンは一人旅立ちます。
彼は親切な旅人を装い、まんまと巨人サイドの農夫達を同士討ちさせたのでした。

オーディンが殺人現場を立ち去ってから、数時間後…。

死体を見つけたバウギ
バウギ『な、な、何じゃこりゃああああああ!?ΣΣ( ̄◇ ̄|i|)』

スッツングの弟にして農場主のバウギは惨殺死体の山を発見して、びっくらこきました。
何せ9人分ですからね。

バウギ『りょ、猟奇殺人犯がウロついてんの!?(ビクビク』

バウギが死体をよ~く調べると、全員が作業鎌で喉元を斬り合ったのだと判明。

バウギ『バトルロワイヤル!?デスゲーム!?なにこれこわい( ̄◇ ̄|i|)』

現代だったら捜査機関やマスコミが大挙して押しかける一大猟奇事件ですが、人権思想とかない神話の時代だし、被害者は身分の低い使用人だったので、びっくらしつつも死体を片付けるだけでフツーに終わりました。

目下の問題は…

バウギ『まだ牧草の刈入れがめっちゃ残ってるのに!!
9人分の求人広告、今すぐ出さないとヤバい!!』

労働力の確保に関する心配でした。
農夫さん達がますます可哀想や(´-ω-`)
しかし北欧は冬になると超~~雪が積って、牛や羊の飼料となる草がなくなります。
夏季に牧草をちゃんと貯蔵できないのは、酪農業にとって死活問題なんですね。

そして、その夜。

求人広告作成 !!
バウギ『未経験歓迎、寮・賄い付き、大自然に囲まれた農園はリゾート気分★やりがいのあるアットホームな職場で、貴方も活躍しませんか…っと……〆(。_。;) カキカキ』

彼がブラック企業臭のする求人広告をしたためていると(※捏造)、館の扉を叩く者がありました。

???『御免下さい~お頼み申す~~もしも~し!!(ドンドンバンバン!』
バウギ『ハイハイ、今行きますよ!』
バウギ(チッ、このクソ忙しい時に誰だよ…)

それは勿論…

オーディンの訪問
オーディン『私はボルヴェルクという旅の者です。一晩の宿をお借りさせて下さい』

事件の仕掛人・オーディン様。
またしても旅行者に扮して巨人邸に現れたのです。
今度は一体どんな作戦なんでしょーか(・∀・)

バウギ『あ~、部屋は貸すけどさ…使用人が全員くたばったから、何のお構いもできないよ』
オーディン『ほほぅ。何か事情がおありの様ですな』
バウギ『実はウチの使用人がかくかくしかじかで…、急いで9人も補充しないといけなくってさ』
オーディン『ふむふむ。それはお困りでしょう』

真犯人オーディンは事件のあらましに白々しく相槌を打ちます。
そしてバウギにこう持ちかけました。

オーディン『どうでしょう、バウギさん。私を雇いませんか?』
バウギ『おーッ、まじでか!助かるわぁ~。これで求人が残り8人に…』
オーディン『いいえ、もう広告を出す必要はありません』
バウギ『ハァ…?(゚Д゚) 』
オーディン『私は人より力持ちなんです。私だけで9人分、働いてみせますよ^^』
バウギ『えぇぇ。。。』

笑顔でガッツポーズする旅人を前に、巨人は思案します。

考えるバウギ
バウギ(うっわ。。。いるんだよな~、こーゆー自信過剰な若造って~。
でも収穫期のド真ん中に就活してる農夫なんかいねーし、人探しもタダじゃねーし。
ここは、この勘違い野郎を採用してだ…どうせ9人分も働ける訳ねーんだから、夏が終わったら『ノルマ達成できとらんではないか!報酬は払わんぞ!(キリッッ』っつって、追い出すとするか。
下男0人のまま冬を迎えるよりは、こいつだけでもタダ働きさせれば、お得じゃーん☆ミ
ふっふっふっ、俺って策士!(`∀´)+)

おい、この構図…どっかで見たことあるぞ…。
ともあれ悪巧み完了なバウギはニッコニコの作り笑いで返答しました。

バウギ『おkおk!(^ω^)ニコッ! じゃあ、雇用契約なんだけど給与は…』
オーディン『お金は要りません。詩の蜜酒を一口だけ飲ませて下さい』
バウギ『ハァ…?(゚Д゚) 』
オーディン『詩の蜜酒を一口下さい(ドーン!』

おっと。遂にキーワードの登場です。
最高神は押し込み強盗ではなく、合法的に蜜酒をGETする計画ですね。
しかし、この強気な要求には詐欺る気マンマンのバウギも面食らいました。

バウギ『し、詩の蜜酒は…あれはスッツング兄貴が隠し持ってるから、俺も実物は見た事ないんだよ;;
兄貴の他に近寄れるのは、地下洞窟で警備してるグンレズ位でさぁ…』
オーディン(”地下洞窟”…”グンレズが警備”…か…覚えたぞ!)

はい、赤字の人名はテストに出ますよ(・∀・)o/

オーディン『たったの一口だけですよ?9人分も働くのですから、お兄様に口添えして下さいよ』
バウギ『分かった、分かった。じゃあ、契約完了したら、兄貴に頼んでやるよ』
オーディン『では契約書面にサインを^^』

考えるバウギ
バウギ(ま、どーせノルマ未達成で不払いになるんだし。テキトーに話を合わせとけばいーや)

バウギ『給与:詩の蜜酒×1口…っと……〆(。_。 ) カキカキ』
オーディン『契約成立ですね(ニヤ』

結果を楽観視したバウギは、オーディンに乞われるがまま契約を結んでしまったのです。
かくして二心ある神はバウギ家で就職したのでした。

こ、この…相手を舐めきって契約しちゃう展開もどっかで見たことあるぞ…。
見える…オチが見える…。

あとさぁ、謎の大量殺人事件が起きた直後にやってきた余所者なんて怪しさMAXじゃない?
バウギさん、ちょっとは疑う心を持って!(´Д`;)
巨人サイドの推理力も起きてる時の毛利探偵や。

さてさて、草刈り初日。

ボルヴェルクは夜明け前から起きだして、農作業を開始しました。
そして出来高チェックに訪れたバウギは、とんでもない事実を目の当たりにするのです。

働きまくるオーディン
オーディン『残像だ!(ズババババババ!』
バウギ『えええええー!?ΣΣ( ̄◇ ̄|i|)』

オーディンは超スピードで作業に打ち込んでいました!
スタープラチナ並のパワーと精密動作性で牧草を薙いでは束ね、せっせと積み上げていきます。
たった一日の間に、牧草の山がうずたかく築かれました。

流石オーディン様、仕事のできる男!
カッコイイ!!惚れろ!!

軍神の腕力と、智神の要領の良さをもってすれば造作も無い仕事ですよね~。
ハイパー砥石で鎌の切れ味も鈍らないし、最強の農夫さんですわ…。

ちょっと余談になりますけど、元々オーディンは嵐を司る気候神で、農耕も守備範囲だったとか何とか。
(※農耕神としての詳細は知りません^q^)
物語的に考えた場合、この方は生まれながらの王ではありませんし、若い頃は畑を切り盛りして一族を養ってたのかも知れませんね。

考えるバウギ
バウギ(だ、大丈夫だって…。ホラ、疲労とかするし…)

残念ながら、オーディンは持続力もスタプラ並でした。
夏の日差しの中、全くペースを落とさずに黙々と作業をこなしたのです。

そして、ひと夏が過ぎ…迎えた契約終了日…。

草刈り完了!!
オーディン『草刈り完了しました!!』
バウギ『あ、あばばばば……(゚∀゚;)』

農園は見渡す限り草一本、生えていませんでした。
バウギの祈り虚しく、オーディンは見事に9人分の収穫をやり遂げたのです。

オーディン『それでは旦那様。約束の詩の蜜酒を!さぁ!さぁ!!』
バウギ『う、うん…。兄貴に頼んでみる…ね…』
オーディン『ありがとうございます^^』

無茶な仕事をやるのでスゴイ報酬を下さい^^ ⇒ どうせ出来ねーだろww ⇒ 出来たぞ

…ってゆーのは、城壁事件のおっさんと同じ構造ですね。
(おっさんは最後の詰めで失敗してるけど)

【今回の教訓】
払うつもりもない報酬をエサに、無茶なノルマの契約をしてはいけない。
ブラック経営者、ダメ!ゼッタイ!

文句の付けようもなく仕事を完遂されては、バウギも報酬として蜜酒の都合をつけなくてはなりません。
渋々ながらもボルヴェルクを伴って兄の許へ向かいます。

いざ!詩の蜜酒が眠る、スッツング領フニット山へ!!
ミッション達成はもうすぐだ!!

やらん
スッツング『詩の蜜酒はやらん!(ドーン』

バウギ『兄貴、そこを何とか…(^ω^;)』
スッツング『やらんっつったら、やーらーん!』
バウギ『ボルヴェルク君は9人分も働けるスゴイ奴だからさぁ、特別ボーナスって事で…ね?ね?(^ω^;)』
スッツング『オメーの下男に何で俺が給料払うんだよ!オメーの財布から払え!殴るぞ!!』
バウギ『うぅっ;;』
オーディン『……』

バウギ轟沈。
まぁ、この契約にスッツングさんはミジンコ程も関係ねーからな。。。
俺も弟がいるんですけど、もしも弟から『僕の部下に、アルマンがコレクションしてる黄金聖闘士フィギュアをプレゼントしてよ♪』って言われたらキレるわぁ。
そんでもって警戒して、当分は弟を家に上げないわぁ。

スッツング邸の裏
実兄にすげなくあしらわれ、バウギはオーディン共々、館を追い出されてしまいました。

オーディン様、ひと夏も働いてやっと詩の蜜酒を手にできそうだったのに…(´-ω-`)
作戦が頓挫してしまった最高神は一体どーするのか?

次回、『ブラギの詩・4』へと続く。

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