第35楽節 『空を旅する者と雷神・1』

今回は物語本編の前にプチ解説で水増し…ゲホッゴホッ、神話をおさらいします。

飛んで逃げようとするロキ
空を飛んで逃げようとする悪戯神ロキ(第30話

ロキの有名な二つ名に『空を旅する者』があります。
その名の通り、神話中、最も飛行シーンの多い神様です。
飛び方にはいくつかパターンがありますので、それぞれチェックしましょうm9(・ω・)


空飛ぶ靴
空飛ぶ靴

効果は読んで字の如く、履けば空中散歩できる飛行アイテム。
どっから調達したのかは不明。
その凄さは初見でも判っちゃうらしく、悪い魔法使いにモノジチとして奪われたことも(第21話


ファルコンローブ

よくフレイヤから借りているアレです。
空飛ぶ靴との違いは、装備すればハヤブサに変身できる点。
神話に明言されていないけど、ファルコンローブはより速く飛行可能だったと推察します。
緊急事態に使ってる描写が多いし。

ロキの変身
アブに化けるロキ

ロキは神の中でも優れた変身能力を持ち、これまでに書いた神話でも熊やアブに化けています。
…変身できるなら、何でわざわざファルコンローブを借りてるんでしょーか?(・ω・)
自力魔法での変身は疲れるので、アイテムの力を使ってラクしてるのかも。

何にせよ、ロキの空への執着には、何物にも縛られない勝手気ままな性質を感じさせます。
…という訳で、今回は空の旅から始まる冒険譚。
タイトルの雷神様も出るよ!(次の次の次の回くらいに…)

瀕死のロキ
今は昔。

ロキ『ウッ…うぅ…うぐぐ……!し、死ぬっ…!(‘A`)ハァハァ』

物語開始早々ですが、悪戯神ロキは死にかけていました。
一体、彼の身に何が起きたのでしょう。
珍しく巨人と一戦交えたのでしょうか?

ロキ『ひ…暇過ぎて死ぬ…!(‘A`)ハァーハァー』

このところアースガルドは巨人との小競り合いも、神々のスキャンダルも無く、平和な日々が続いていました。
つまり人の不幸や悪戯が大好きなロキにとっては、死ぬ程ヒマで退屈だったのです。
本当に嫌な性格だな。
こんな時、北欧神がやる事は一つ。

ひらめいたロキ
ロキ『そうだ、京都行こ…ゲホン…旅に出よう!(*’¬’)』

ロキは冒険旅行を思い立ちました。
男の神って、みんな見知らぬ土地に出かけるのが大好きです。
…そして大抵、ろくでもない事件に巻き込まれるのですが…。

フェンサリル城
そうと決まれば旅支度。

彼はウキウキワクワクしながら、フリッグの居城フェンサリル(『水の城』の意)を訪ねました。
名前から察するに、湖畔か海辺に佇む美しい宮殿だったのでしょう。

フリッグを訪ねたロキ
ロキ『お義姉様、ごきげん麗しゅうゴザイマース(*’ヮ’)ノ』
フリッグ『あら、ごきげんようロキ』

旅好きな夫オーディンとは違い、インドア系なフリッグは自宅でくつろいでおられました。

フリッグ『今日はどういった御用向きかしら?』
ロキ『お義姉様のファルコンローブを貸して下さいっ><』
フリッグ『うふふ、お安い御用でしてよ。フッラ、羽衣をお持ちなさい』
フッラ『かしこまりました』

フリッグのメイド・フッラさん、久々の登場(*’ヮ’)
女神フッラはフリッグの衣装やアクセサリーを管理するのが通常業務です。
裏業務ではオーディンを陥れるための情報工作も手がける(第10話)、市原悦子もびっくりなスーパー家政婦。
フッラは箪笥からファルコンローブを取り出し、ロキにてきぱきと着付けしてやりました。
これにはロキも大喜び…かと思いきや。

ロキ『ウッ…うぅ…うぐぐ……!(‘A`)ハァハァ』

彼は再び悶え苦しみ始めたではありませんか。
そして、とんでもない事を口走ったのです。

ロキ『こんな超レア装備をホイホイ貸し出されると、パクる気が失せるんだよな~(‘A`)=3』
フリッグ『^ー^』
フッラ『……|ω-)』

フレイヤが秘蔵した首飾りブリーシンガメンを盗み(第8話)、黒妖精アンドヴァリが隠した指輪を盗んだ(第21話)実績のあるロキ。
他人が宝を隠せば隠す程、彼の盗みのモチベーションは上がるという事です。
さすが北欧神話きってのクソ野郎だけあります。

ハヤブサになったロキ
ロキ『まー、それはともかく。変☆身! <(゚Д゚)/ トゥッ!』

ローブの魔法を得て、彼は敏捷なハヤブサへと姿を変えました。
そして二つ名の通り『空を旅する者』として、瞬く間にフリッグの城から飛び去って行ったのでした。
ここからは俺の想像。

女神達のナイショ話
フッラ『よろしいのですか、あの様な不埒者にローブをお授けになって…|ω-)』
フリッグ『これが最善策なのよ。少しの間だけ我慢すれば、ローブはまた戻って来るわ』

フレイヤ&フリッグが気前良くファルコンローブをロキに貸し出す理由。
それはロキの性格上、わずかでも惜しんだら最後、ローブが盗まれて永遠に返って来なくなると知っていたのでしょう。
そして、もう一つ俺の仮説があります。


フリッグ『それにロキが留守の間は、アースガルドの平和が守られるでしょう!^^』
フッラ『確かに!!!|ω・)+』

別の神話において、フリッグは夫オーディンに向けて「冒険は危険だからダメ!」と警告しています。
(※但し、オーディンが『敵国に乗り込んで、巨人と対決する』という目的を明かしているためでもある)
ロキだって旅先で何度も危険な目に遭っていますが、フリッグはスルーです。
まぁね。
悪戯ばっかりのロキは神々から相当、嫌われていますからね。
厄介払いが出来て好都合だったやも知れません。
最高神を上回る知略を持つ彼女ですから、『むしろ旅先で死んで頂戴^^』位には思っていても不思議はありません。
そんな女神達の思惑を余所に、遥か上空でロキは超レア装備の効果を堪能していました。

ハヤブサになって高速飛行するロキ
ロキ『空飛ぶ靴より、ずっとはやい!!⊂二(^ω^ )二二二⊃ ブーン!!』

青空を突っ切って飛ぶ彼に待ち受ける運命とは…?
投槍北欧神話・第35楽節 『空を旅する者と雷神・2』に続く!

  1. ギリシャ神話を調べていたはずなのに、なぜかこのサイトに。ついつい全部読んでしまいましたw
    とあるエインヘリヤル『サンダーヒット with トールハンマーヾ(*`Д´*)ノ"彡☆ on the セスルムニル』

  2. 月桂樹様
    御訪問ありがとうございます(・ω・)
    ギリシャ神話も面白いですよね!
    >『サンダーヒット with トールハンマーヾ(*`Д´*)ノ"彡☆ on the セスルムニル』
    …なんかすごい技が仕掛けられている…!!

  3. いつも楽しみにしてます。次の記事はよ!ハアハア

  4. 卑猥な名前で投稿しやがって!アク禁にしてやる!(‘Д´)
    …と思ったんだけど、
    よく考えたら投槍神話でも「ちんちん」って単語をモロ出しでした。
    ノープロブレム。

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