空を旅する者・ロキの大冒険が今、始まる…!
今は昔。
平和な生活に飽々していたロキは冒険旅行を思いつきます。
女神フリッグからファルコンローブを借りハヤブサとなった彼は、アースガルドから文字通り飛び出したのでした。
ロキ『あっちの方はまだ行ったことねぇな!GO!GO!(*’ヮ’)』
ロキは全く疲れもせず、好奇心に任せて知らない土地を進んでいきます。
しばらくすると彼は巨人国の上空に突入しました。
ギョロギョロしたハヤブサの眼で見下ろせば、辺り一面には岩地が広がっています。
そして一軒の立派な館が建っているのを見つけました。
ロキ『おっ、これは巨人の大物が住んでるくせーな。どれどれ…(・∀・)』
神々と巨人は不倶戴天の敵同士。
敵陣である巨人国での活動は危険そのものです。
にも関わらず、ロキは興味津々で巨人の館に向かって羽ばたいていきます。
彼は窓辺に止まって、中の様子を伺ってみました。
(※この挿絵は窓から屋敷を覗き込んでるんだよ。そうは見えないけど…)
そのお屋敷ではゴージャスな食事会が催されているところでした。
…もしかしてロキは飯のニオイに惹かれたんでしょうか??
沢山の召使達に囲まれ、宴席の中央には館の主ゲイルロドがふんぞり返っていました。
その隣にいる二人の女巨人は、彼の娘ギャルプ&グレイプです。
このゲイルロドは第10話で登場したゴート国ゲイルロド王とは同名の別人です。
北欧神話って、同名の人が本っ当にたくさん出てきますよね。メンドクセー!
ロキ『奴がここいらの領主か。つーか、あの女ども超ブッサイクwwwウケるwww m9(^Д^)ギャヒー!』
ギャルプ&グレイプが不細工というのは俺の推定ですけど。。。
「美人」と断り書きの無い女巨人は、みんな不細工認定してオッケーだと思います。
彼が不用心に巨人観察を続けていると、ゲイルロドもハヤブサの存在に気付きました。
ゲイルロド『ほぉ、見事な翼のハヤブサじゃな。ワシのペットにするから捕まえて来い!』
召使A『ははっ、承知しました!』
ハヤブサの正体を知らないゲイルロドは、部下の一人に捕獲を命じたのです。
昔の北欧でも鷹匠とか存在したんでしょーか。
ロキ『俺を捕まえるだって?こいつぁ楽しくなってきたぜwwよ~し(*’¬’)』
巨人の召使はハヤブサ(ロキ)の止まっている窓辺に、抜き足差し足忍び足で近づきます。
召使A『そーっとそーーーっと…』
ロキ『チュンチュン!羽づくろいするチュン!(゚∈゚*)ピーチクパーチク!』
召使A『今だ!ハヤブサゲトズサー!⊂(゚Д゚⊂⌒ ̄`つ≡≡≡3』
ロキ『サササッ!ε≡≡≡(゚∈゚*)』
召使A『ギャー!』
捕えようとした瞬間、ロキが飛び立ったものですから、召使君は勢い余って壁にぶつかってしまいました。
ゲイルロド『何をやっとる!もっと腰を入れんか!!』
ギャルプ&グレイプ『そーよ、そーよ!』
召使A『も、申し訳ございませんTT』
ロキ(ぷぷーっ、怒られてやんのwwwダッセェwwww(>m<*)プププ)
コントの様な下男の失態に悪戯神は大喜び。
ふわりと舞い上がったかと思えば、屋根のてっぺんに降り立ちました。
獲物を逃がす訳にいかない召使は慌てて屋根によじ登ります。
召使A『待てー!』
ロキ(よっしゃ!華麗なオチを付けてやんぜwwwww(`∀´))
ロキはまたしても紙一重で召使をかわし、今度は屋根から転げ落ちる無様な巨人を嘲笑するつもりです。
馬鹿野郎ですね。
召使A『そーっとそーーーっと…』
ロキ『チュンチュン!一休みするチュン!(゚∈゚*)ピーチクパーチク!』
召使A『今だ!スパイダーウェブ !!(ドーン!』
ロキ『何ィッ!?Σ(゚Д゚;)』
巨人が魔法を唱えると、ハヤブサの両足は屋根にピッタリ固定されたのです。
そりゃー、初見ならともかく二度も同じ手に引っかからんわ…。
召使A『ふっふっふ…( ̄ー ̄)』
ロキ『や、やべェ!!』
お馬鹿な鳥が必死に羽ばたいてみても、足は屋根から生えてるかの如く微動だにしません。
無情なハンターの手が彼の体に伸びてきます。
召使A『ハヤブサ、GETだぜ!!!⊂(゚Д゚⊂⌒ ̄`つ≡≡≡3』
ロキ『い、イヤァァ~~~~ッ!/(^o^)\』
こうして抵抗むなしくロキは巨人に捕獲されたのでした。
ちなみにロキさん、投槍北欧神話では通算4回目の逮捕(拉致)です。
いつも調子こいたり、油断しまくったりで、痛い目に遭ってるというのに全く反省しませんね。
なお、神話最終回まで反省しない模様。
まー、未来の事はともかく。
巨人の下男は得意満面で獲物を主人に差し出します。
召使A『お館様、御所望のハヤブサでございます』
ゲイルロド『うむ。よーやった!誉めてつかわす。どれどれ、餌付けしてやるかのぅ^^』
ロキ『ぐえっ!Σ(‘A`;)』
ゲイルロドが巨大な手で鷲掴みしたものですから、ロキの体は潰れそうになりました。
ロキ(チッ、仕方ねぇ。隙を見て逃げるっきゃねー…)
ロキ『チュ…チュンチュン!(゚∈゚;)』
ゲイルロド『そーりゃ、餌だぞ~…ムムっ!?』
ロキの前に餌をぶらつかせていたゲイルロドが、急に大声を上げました。
ギャルプ&グレイプ『どーしたの、お父様?』
ゲイルロド『このハヤブサの纏う凄まじいオーラ…!これはただの鳥ではない!!』
ロキ(ギクッ!!!)
なんつーことでしょう。
巨人がロキの正体に勘付いたのです。
北欧神話では神・巨人の両サイドが様々な変身で相手を騙そうとします。
その変身譚で、相手の正体を見抜いたエピソードは結構レアです。
ゲイルロドは高い知能を持った巨人だと言えるでしょう。
低クォリティな花嫁コスプレのトールすら見破れなかったスリュム(第21話)とは大違い。
ゲイルロド『貴様は一体、何者だ!!言え!!!』
ロキ(や、やばい…)
巨人はロキをギュウギュウに握りしめ、地の底から響く様な怒号を上げて、ハヤブサを問い詰めます。
やっぱり巨人国はキケンでいっぱいでしたね。
特にロキの場合は、巨人族を裏切ってアースガルドに寝返った上に、数々の巨人成敗でキーマンの役割を果たしてるので…。
正体がバレたら殺されるだけじゃ済まないね!
ゲイルロド『貴様は何者だと聞いておるのだ!!!』
ロキ『チュ…チュンチュン!(゚∈゚;)』
尋問は続きますが、逃れる事も、正体を明かす事もできないロキはしらばっくれるしかありません。
ゲイルロド『ふん、あくまでもシラを切り通すつもりか。ならば、こうしてやるわい!!』
ロキ『!?Σ(゚∈゚;)』
ゲイルロドはドスドスと足音を立てながら、大きな箱の前に歩んで行きました。
ゲイルロド『ぽいっ!彡●』
ロキ『ギャフン!!Σ(゚∈゚;)』
荒っぽくハヤブサを箱の中に放り込みました。
そして全身を強く打ち付けたロキが悶えている間に、素早く蓋を閉じて、頑丈な錠をかけてしまったのです。
真っ暗な闇の中、錠の降りる音を聞き、ロキは絶望でいっぱいになりました。
羽ばたいても、足の爪で引っ掻いても、体当たりしても、箱はびくともしません。
今回、そんなんばっかりだなロキ。
ロキ『ま……じ……で………?(゚Д゚;)』
ゲイルロド一派は捕縛スキルに長けた軍勢なんすかね。
まーそれはともかく。
ロキの大冒険 ~完~
長い間、御愛読ありがとうございました!
あるまん(ぐえん)先生の次回作に御期待ください!!
お待ちしてました!ロキの今後に期待ですね
さっそくのコメントありがとうございます。
次回はきっと颯爽と活躍してくれます。きっと。
これはひどい\(^o^)/
更新お疲れ様です、次回も楽しみにしてます!!
応援(?)ありがとうございます。
ロキの大冒険に御期待ください。
最近たどり着いて一気読みしてしまいました!
後先考えないアホ、そんなロキさんが大好きです。続きを楽しみにしています!!
>千日紅さん
一気読み、ありがとうございます。
ロキのアホっぷりの続きは11月中に公開予定です(たぶん)
すげー余談ですが、
「千日紅…知ってるぜ、サルスベリって読むんだろ!!」
と自信満々で変換したら、サルスベリは”百日紅”でした。
センニチコウって読むんですね。。。。。