第35楽節 『空を旅する者と雷神・7』

川を渡る二人
投槍北欧神話・第35楽節 『空を旅する者と雷神・1』
投槍北欧神話・第35楽節 『空を旅する者と雷神・2』
投槍北欧神話・第35楽節 『空を旅する者と雷神・3』
投槍北欧神話・第35楽節 『空を旅する者と雷神・4』
投槍北欧神話・第35楽節 『空を旅する者と雷神・5』
投槍北欧神話・第35楽節 『空を旅する者と雷神・6』
ロキとトールの大冒険、いよいよ佳境…!


ナナカマド発見
今は昔。
巨人ゲイルロドに脅された悪戯神ロキは、雷神トールを巨人国までおびきだしました。
グリッド宅に一泊後、丸腰だったトールは装備をGET!
悪夢の尿川を渡り切り、遂にゲイルロド領に足を踏み入れたのでした…。
対岸に上陸後、神々は更に徒歩での移動を続け、ようやく目的地に辿り着きました。

ロキ『よーし、あれが飲み会場のゲイルロドん家だ!』
トール『…!』

悪戯神が指さす方向を見遣れば…

おいでませトール御一行様
件の巨人屋敷では、召使達が神々を待ち受けていました。

召使A『お待ちしておりました、トール様!^^』
召使B『ささ、どうぞこちらへ!^^』
トール『お、おお…』
ロキ『ほーら、みんな大歓迎ムードだぜ><』

しかし肝心の美人なネーチャンや、当主ゲイルロドの姿は見当たりません。
召使の手招きで、神々は敷地内に入ります。

豪邸?
彼らの歩く小路の先に、ゲイルロドの館が建っています。
なかなかゴージャスで素敵な佇まい。

トール『おー、いい感じの家じゃん!!』

…と雷神が喜んだのも束の間。
召使はそのゴージャス建物の前を普通に通り過ぎ、神々が案内されたのは…

山羊小屋
超~~~臭くて、超~~~ばっちい山羊小屋でした。
しかも汚らしい小屋の中には、一脚の椅子がポツンと置いてあるだけ…。

召使A『どうぞ、ごゆるりとお休みくださいませ★』
トール『……』
ロキ『わ、ワビサビを感じる風情のある部屋だね^^;』

ここで通されたのは『馬小屋』って訳もありました。
どっちみち、獣舎である事は確定の模様。
おもてなしの心、ゼロ!っつー事ですね。

もしくは山羊を眷属とし、農業の守護者であるトールに対する、痛烈な皮肉なのかも知れません。
俺は子供の頃、親戚の農場でリアル山羊小屋に行った事がありますが、確かに芳しい香りとは言い難いかな…。
しかし山羊は可愛いよね。
美味しい肉や乳製品、毛織物は、山羊さんを始めとした畜産業あってのものだし、気にすんなよ、トール!

考えるトール
トール(やっぱこれ罠じゃね。。。?どー考えても歓迎してねーだろ。。。)

ここまで露骨に嫌がらせされては、流石の脳筋神もいよいよ疑念が確信へと変わっていきます。
しかし、まだ決定打に欠けるため、次の一手を打てずにいました。

一方の悪戯神は…

考えるロキ
ロキ(だぁあああ!超臭ぇぇえ~~~~~!!嫌がらせに俺を巻き込むんじゃねーー!/(^o^)\
つーか、本性出してきたって事は、そろそろ頃合いみてーだな…)

ロキ『椅子1個しかねーし、お前、座って休んでろよ^^ 俺、ちょっくらその辺で水浴びして来るからさ(*’ヮ’)』
トール『おう』

体中に染みついた尿汚れと獣臭を落とすべく、屋敷の側を流れる小川へ向かいました。

ロキの水浴び
ロキ『わーい、尿じゃない川ってサイコー!\(^ρ^)/バシャバシャ!』

えー…。
この説話ねぇ、伝承に忠実な訳(?)だとロキは山羊小屋あたりから急に存在を語られなくなって、話が終わりまで進むみたいです…。
トール花嫁話でも、ラスト付近で彼が何してたのかよくワカンネーし。
昔の詩人よ、脚本を書く時は「時間軸⇔キャラ行動」の表を作りながら書いてくれ…。

あとですね、この説話にはトールにシアルビィ君が同伴するヴァージョンもあって、話の筋が微妙~に違うんですよね。
俺の貧弱な脳ミソでは回収できません^q^
しかし俺の愛読する『北欧神話物語』K・クロスリイ-ホランド 青土社(1983)では、シアルビィ君無しヴァージョン、かつ『ロキは水浴びに行ったよ』って書いてあるし、ここでもそーゆー事にしときました。
まー、他の部分でも、一部書籍にしかない脚色を特筆なくバンバン使ってるんですがね。

ハッキリ言おうか。
単に、このドット絵を作りたかっただけです(^ω^)
エロスな展開は積極的に取り入れる方針です。おいしいです。

さて。
尿川の横断で体力を消耗した雷神は…

トール爆睡
山羊小屋の椅子に座りながら居眠りしてました。

敵地のど真ん中でダメやろ!…と言いたい所ですけど、流石に重労働でしたからね。
これは仕方ない。
彼はこっくりこっくり、と舟を漕ぐうちに夢を見始めました。

トールの夢
先ほどの尿川における苦闘の夢です。
その悪夢は非常にリアルでした。

ジョボボボボ!!

ロキ『ギャアアアア、ぺっぺっぺっ!Σ(TДT;)』
トール『ふざけやがって…これでも喰らえ!!!』

ドドドドドドドド!!

トール『マジかよーー!!!?』
ロキ『イヤーーーーーーッ!ブクブクブク!』

迫りくる尿の鉄砲水。
尿の波に流され、漂い、激しく揺られます。
その揺さぶりの感触は、いくらなんでもリアル過ぎました…。

トール『ハッ!』

彼が目を覚ますと……

トールの起床
トール『何じゃ、こりゃあ!?』

椅子が天井近くまで、せり上がってるじゃありませんか!
眠りの中で感じていたリアルな揺れは、椅子の振動だったのですね。
もし目を覚まさなければ、椅子と天井の間に挟まれて、圧死していた事でしょう。
そうです。
この獣舎はただのバッチイ嫌がらせ接待部屋ではなく、トールのための処刑部屋だったのです!!

トール『そうは行くかよ!!』

彼はグリッドの棍棒を天井とのつっかえ棒にして踏ん張ります。
椅子は凄まじい勢いでぐいぐいと押し上げてきますが…そこはアースガルドの誇る雷神様。
パワー勝負で引けを取るハズがありません。

トール『うおりゃああああああ!!!』

逆に椅子を蹴り潰したのです。
そして、その瞬間…

???『ギャアアアアアアアアアア!!』

潰れた椅子の中から、恐ろしい悲鳴が上がったのです。
喋る椅子とか家具系モンスターだった訳じゃないよ。

椅子の図解
実はトールを抹殺するべく、グレイプ&ギャルプ姉妹が椅子の下に潜んでいたのです。
(トールの居眠りは、巨人姉妹の催眠魔法だったとかゆー説を読んだ)

…(´Д`;)
前述の「にょきーん画像」と何か違うって言いたいんでしょ…?
この挿絵、難しかったんや。堪忍や。
RO的にクローキングやトンネルドライブ(※透明人間になる技)して襲ったって事にしよう。
それはともかくとして。

ギャルプ&グレイプをたおした!
グレイプ&ギャルプ『ぐふっ…!』
トール『……』

トールの超パワーで圧された彼女達は背骨がボキボキに折れ、煩悶の末に死んでしまいました。
北欧神話の中でも相当、可哀想な死に様ですね。
背骨はやばい。。。


トール『やっぱりな!!!100%罠じゃねーーーか!!!』

巨人の襲撃をすんでのところで退けたトールは、沸々と怒りをたぎらせます。
さーあ、遂に牙を剥いたゲイルロド一派。
対する雷神の運命は!?

次回、投槍北欧神話・第35楽節 『空を旅する者と雷神・8』に続きます。
いよいよシリーズ最終回(*’ヮ’)

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【素材出典】
『ゆんフリー写真素材集 旧オルト住宅 』
http://www.yunphoto.net/jp/photobase/yp4202.html
普通に通り過ぎた豪邸。
すごく…グラバー園です…。

  1. ワーイ(^o^)/ 更新されてる~!ヒャッホー/
    それにしても、椅子を持ち上げるのはお嬢様たちでなく、
    召し使いではダメだったのでしょうかね?
    さすが北欧神話と言うべきか………

  2. >スラジル様
    ウーン。なぜでしょうね…。
    ギャルプさんはトールから石を投げられた恨みを晴らしたかったのかも知れませんね。
    オーディン自らが敵地に向かう話もあるんで、北欧神話キャラは出たがりな性分なんでしょーか。

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