第30楽節『悪戯の代償・5』

マッチポンプ男ロキ
投槍北欧神話・第30楽節『悪戯の代償・1』
投槍北欧神話・第30楽節『悪戯の代償・2』
投槍北欧神話・第30楽節『悪戯の代償・3』
投槍北欧神話・第30楽節『悪戯の代償・4』

名声ブラックスミス世界王者決定戦、マジで開幕!


三種の宝物を見せる小人
今は昔。
性悪な神ロキは舌先三寸で小人の鍛冶屋達から、それぞれ3個*2の財宝を巻き上げました。
そして「世界一の鍛冶屋をアースガルドで決めよう!」と小人ブロックを伴って、アースガルドに戻ったのですが・・・。

~神々の溜まり場グラストヘイム~
アースガルドに戻ったロキ
ロキ『ただいマンモス!Σ三三三ヽ(*’ヮ’)ノ』
トール『遅ぇーよ!一体どこで道草食ってたんだよ!!?』
ロキ『お義兄様ーー、全神を緊急招集して!( ゚∀゚)o彡゚招集!招集!』
オーディン『何事だ。。。』
ロキ『これから名声ブラックスミス世界王者決定戦を開催するぜ!\(^o^)/』
オーディン『また無駄なショーアップをしおって…』
トール『早くシフの頭を何とかしろーー!!』
シフ『しくしくしくしく…(´;ω;`)』
オーディン『まぁ、良い暇潰しにはなるか。緊急招集 !!』
トール『親父ィィイィ!?』

そもそもの発端であるシフ&トールへの謝罪もどこへやら…。
ロキの要請を受け、名声ブラックスミス世界王者決定戦を催すために、アースガルド中から神々が集められました。
こんなんでホイホイ集まる神様達って本当に暇なんですね…(‘A`)

神々『わいわい、がやがや』
ロキ『神々の皆様、これより名声ブラックスミス世界王者決定戦を開催しまーす☆』
ブロック『ワテら兄弟が一等の暁には、ロキの頭を賞金に貰うさかい!』
オーディン『なるほど、そういう事情か。。。』
ロキ『当代随一の鍛冶屋はイーヴァルディJr.兄弟か!?はたまたエイトリ&ブロック兄弟か!?』

審査委員:オーディン、トール、フレイ
ロキ『審査委員はアースガルド軍の三巨頭!最高神オーディン、雷神トール、戦神フレイ(*’ヮ’)』
オーディン『言っておくが、審判は公正に行うぞ?』
トール『叔父貴…遊んでねーで、さっさとシフの頭を元通りにしろよ^^# ビキビキ』
フレイ『僕、ヴァナヘイムから派遣されて日が浅いけど、任されちゃって良いんですか?(・ω・`)』

オーディン・トール・フレイは実際の神殿に並列で祀られていた「偉い神様TOP3」なので、催し物の吟味役としてはまぁ妥当な人選かな。

ロキ
ロキ『イーヴァルディ・チームの作品は、推薦人の俺が御紹介しまっす(^ω^)』

推薦も何も、イーヴァルディJr.兄弟はBS決定戦の話さえ聞いてないんですけどね。
ま、それはともかく。
ロキは審査員の高座まで歩み寄ると、宝物を差し出しました。

グングニール
ロキ『最高神オーディンに魔槍グングニール!』
オーディン『この私に槍を献上とはチャレンジャーだな。甘くは採点せんぞ』

軍神の長オーディンは多くの武器を所蔵しています。
中でも槍は得意武器で、神話初期のVSヴァナヘイム戦争(第5話)でも槍を投げる描写がありました。
更にはメイン要塞ヴァルハラ(戦死者の館)の屋根に、瓦ではなく槍を敷き詰めちゃう位の槍マニア。
そんなオーディンの御眼鏡に適うのは、世界有数の逸品のみでしょう。

最高神はロキからグングニールを受け取りました。
スタイリッシュな細身の槍は研ぎ澄まされ、濡れた様に光を反射します。
伊達を気取りたがる北欧神にとって、武器の見た目要素はメチャメチャ大事です(・ω・)
オーディンの本気装備は全身が黄金キラキラの甲冑だったり。
しかし武器に最も求められているのは、勿論その攻撃力…。
オーディンはグングニールの切っ先を天に向け、渾身の力をもってブン投げたのです。

オーディン『スピアブーメラン !!』
神々『うわあああ!Σ(゚Д゚;(゚Д゚;(゚Д゚;)』

最高神の手を離れた魔槍は、目にも留まらぬ速さで空を斬って飛びました。
もしこの場に敵がいたなら、自分が貫かれたことにも気づかせずに倒すことができたでしょう。
しかもグングニールは魔法の力で、主たるオーディンの手元に自動で還って来たではありませんか。
ちなみに原典によると…

戦闘オーラ全開のオーディン
神A『槍を精査するオーディン様の戦闘オーラが恐ろし過ぎてチラ見もできませんでした…(|ii´Д`)マジデ』

最高神は観客がドン引きするテンションをみなぎらせて、グングニールをチェックしていたそうな。
軍神揃いのアース神一同をビビらせるって、本気モード過ぎる。

オーディン『うーむ、これはなかなかのワザモノだな。気に入ったぞ!』
ロキ『でしょ?wwでしょ?wwwでしょ?wwwww』
ブロック『ぐぬぬ…』

オーディンは小人の贈り物をいたく気に入り、これ以来ラグナロクで戦死するまでグングニールをメイン装備としています。
つまりグングニール=世界最高の槍であると、槍マニア最高神から認定を受けた訳です。
これは初っ端から、すごいアイテムが登場してしまいました。
選考は更に続いてゆきます。

スキーズブラズニル
ロキ『お次はフレイに戦艦スキーズブラズニル!』
フレイ『これは船の模型ですか…?(・ω・`)』
ロキ『今はな!見てろよ~♪ここをこうして、ああすると…』

フレイに進呈されたのは船の玩具かと思いきや。
ロキが小さな甲板を継ぎ目からパタパタと開いて展開し、細いマストを引っ張って伸張してゆくと…

巨大化したスキーズブラズニル(笑)
手乗りサイズだった船は、あっという間に城や要塞の如く巨大な帆船となったのです!!

…(‘A`)
やべぇ…世界で最もしょぼいスキーズブラズニル画像が誕生してしまった…。
画像は脳内変換をお願いします。
まぁ実際はちゃんとした軍用帆船に変身したので、神々は度肝を抜かれました。

神々『ちょっwwwグラストヘイム城が船で破裂するわwwwサイズ縮めろwww』
ロキ『アースガルド全軍神が乗り込めるサイズに大変身!しかも魔法で風を捕まえる自動操舵機能付き!』
フレイ『おおーー!Σ(・ω・)』
ロキ『折り畳んで模型サイズにすれば、財布の中にだって仕舞えちゃうんだぜ!』
フレイ『わー、すごいですー!!ヽ(・ω・*)ノ』
ブロック『ぐぬぬ…』

財布の中に~の説明は原典にそう書いてありました。
古代北欧では折り畳み式の木船が使われていて、出土品も沢山あります。
「こんな便利な船があったら良いな~」という願望からスキーズブラズニルを想像したんでしょうね。
北欧神話には神馬スレイプニール・馬車・戦車など乗り物が多く登場しますが、神様軍における団体サイズの乗り物は戦艦スキーズブラズニル位です。
これは結構ポイント高かったはず。
まぁ、登場シーンは全然ないんだけど(*’ヮ’)
きっと巨人達との戦争へ繰り出す神々に重宝がられたでしょう。
その戦艦の船長となったフレイは一層ポジションがUPだ!

そしてイーヴァルディJr.兄弟、最後の作品は…

シフのウィッグ
ロキ『最後はトールちゃん、お待ちかね!シフのウィッグ!!』
トール『遅ぇーんだよ!それがメインだろうがああああああ!!』
シフ『本当に元に戻るんですか…妙にズレてて余計ヘンになったりしませんか…(´;ω;`)』

カツラというのは単に髪束を着ければ良いのではなく、個人個人の頭の形状や、本来の髪色・質に合ってないと違和感バリバリで、『あいつヅラじゃね?』『ヅラだな!ププw』と余計に物笑いの種とされてしまいます。
(※禿げや薄毛は本人の努力が及ばないものですので、良い子の皆さんは人の頭髪を馬鹿にしてはいけません)
現代でも自然で精巧なカツラの製作は大変な技術が必要で、オーダーメイド品は数十万~数百万円かかるのもザラ。
大昔だったら、もっともっと大変だったはずです。

シフは受け取ったウィッグを不安な眼差しで見つめました。
黄金と銀で紡いだ糸は、確かに自分の地毛と同じ色に思えます。
しかしブカブカ浮いたり、動いたらズレたりするかは分かりません。
小人はシフの頭を採寸した訳じゃないですし。
コレが駄目だったら数年引き籠り生活になる…!と、おそるおそる丸刈りの頭皮に乗せてみました。
すると、どうでしょう…

元に戻ったシフ
小人の魔法パワーによってカツラは頭の形ピッタリに密着し、髪糸が肌に根付いたではありませんか。

引っ張っても、かき上げてもスッポ抜けることなく、輝く長髪は風にそよぎ、美しい波を描いていました。
ここはヴィ●ル・サスーンやTSU●AKIのTVCMでも思い浮かべて下さい。

神々『おおおー!』
トール『すげーナチュラルだぜ!むしろ前より可愛いかも知れねぇ!』
シフ『良かった;;;』
ロキ『ほーらね♪俺の言った通り、すぐ直っただろっ!』
トール『叔父貴、デカい顔すんな!!!!』
ブロック『ぐぬぬ…』

これにてイーヴァルディJr.兄弟の作品紹介は終了しました。

神A『いやー、お馬鹿企画かと思ったけど、なかなかイケてますね』
神B『イーヴァルディ家の名声入りは間違いなさそうだなー』
ロキ『ぬっふふふwwwww』

御紹介した通り、イーヴァルディJr.兄弟の腕前は非の打ち所が全くありません。
オーディン・フレイ・トール+観客の神々からの感想はどれも好感触です。

エイトリ&ブロックのターン!
ブロック『よっしゃ、ワテと兄貴のアイテムをお披露目する番やな(`ω´;)』
ロキ『あれっ?まだいたの?棄権した方が良いんじゃな~い?^^』
ブロック『やかまし!』

次回はエイトリ&ブロックのターン!
彼らの製造アイテムは神々を振り向かせることができるのでしょうか?

コメントする

CAPTCHA